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2006年1月19日

米独首脳会談を手短にふり返る

先の米独首脳会談について、前回の記事ではグアンタナモ基地での囚人の処遇をめぐってアンジェラ・メルケル首相がアメリカを厳しく批判したことに触れた。このことで、アメリカとドイツの関係は思ったほど好転しないのではないかという観測も流れた。当ブログでは「米、対欧改善も中韓とは緊張」という記事で、新首相の下でのドイツは対米関係改善に一気に進むであろうと述べたが、こうした見方はやや楽観的過ぎたようだ。「テロとの戦い」と「人権重視」のバランスのとり方について、アメリカとヨーロッパの間で見解の違いが大きいことが改めて認識された。このことについては、有名な「ネオコンの論理」(原題Of Paradise and Power: America and Europe in the New World Order)に記されている通りである。

はて、メルケル首相がワシントンでジョージ・W・ブッシュ大統領と行なった会談の成果はどうであったろうか?前回も言及したアトランティック・レビューというブログでは次のように語っている。

ドイツとアメリカの間に「蜜月」が訪れることはなく、よりビジネス・ライクな関係になる。新首相はアメリカに対してことさら異を唱えるような真似はせず、両国の意見の一致と不一致を明確にしてゆくであろう。グアンタナモ基地での囚人の処遇をめぐって米独両国は意見の一致を見なかったが、イランへの核兵器拡散防止については共同で対処することになった。

アトランティック・レビューではアメリカ、イギリス、ドイツの有力メディアの論説を引用しながら、今後の米独関係をこのように総括している。詳細はリンク先を読んで欲しい。

ワシントンから戻ったメルケル首相は、すぐにモスクワでロシアのプーチン大統領と会談している。中でもイラン問題が重要な議題になったが、その他にもロシアの民主化についても取り上げた。この件についてはシュレーダー前首相が余り熱心でなかったこともあって、「新しいヨーロッパ出身」の新首相と前任者の違いが出た。

旧東ドイツ出身のメルケル首相はこれまでのドイツ首相にも増して、民主化や人権の擁護に積極的に取り組むようだ。またドイツ外交はド・ゴール=アデナウアー路線から大西洋同盟重視に変わってくるであろうが、テロリストに対してでも人権を尊重するというヨーロッパの立場はしっかりと主張してくるようである。ともかく今後のドイツの動きはヨーロッパ情勢に大きな影響を与える。

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