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2006年2月27日

インドと米仏の核協議

来る3月1日から3日にかけてブッシュ大統領がインドとパキスタンを訪問するのに先立って、2月20日にフランスのジャック・シラク大統領とインドのマンモハン・シン首相はニューデリーで会談し、政治・経済での二国間関係の進展がはかられた。両首脳は二国間の経済関係、国連安保理の常任理事国、核の平和利用といった議題を話し合った。現在、各国がインドとの関係強化を進める中でEUの影響力は低下している。シラク大統領は巻き返しをはかろうと、インドに様々な便宜を持ちかけた。経済分野では、インド航空に対してエアバスを売却した。その他にも、インフラ整備、IT、製薬、環境、先端技術、食品加工、自動車、航空宇宙産業といった文たでの両国の協調関係を強化しようという話し合いが行なわれた。またフランスは、国連安保理でのインドの常任理事国入りについても支持を表明した。 

上記の問題の中でも最も重要なものは核の平和利用についてである。フランスはIAEAの基準に従って平和利用のためのインドの核開発を支援することになった。実は昨年7月にアメリカがインドとの間に同様な取り決めを行なったという事は、当ブログのでも過去に「インドとアメリカの戦略的パートナーシップ」と米・インド間にイラン問題の影」という記事で述べた。フランスは自分達の方がアメリカよりも原子力発電所の建設に関しては経験が豊富であると強調しているが、インド側ではこれからやって来るジョージ・W・ブッシュ大統領との会談の方に関心が向いている。

インドにとってアメリカとの戦略的パートナーシップは21世紀の外交政策の重要な礎である。またフランスが核関連施設建設できるようになるには、インドとアメリカがこの問題で最終合意に至らねばならない。核不拡散は今日の安全保障では重要な問題であり、フランスが独走するわけにはゆかない。

アメリカとインドは核問題で全面的に合意するであろうか?カーネギー国際平和財団のジョージ・パーコビッチ副所長は以下のような問題点を挙げている。

中国の軍事的台頭を抑えるためにインドの核エネルギー開発に寛大な態度で臨もうという考え方は妥当ではない。

核不拡散というアメリカの国家的目標を達成しようというなら、実施の段階で合意内容では不充分な部分を修正してゆかねばならない。 

ブッシュ政権の案ではインドが得るものに対してアメリカが得る見返りが少な過ぎる。

核問題をめぐるインドとアメリカの議論いついては、首脳会談の後で記事を書く予定である。事態がどのように進展するか?これは見逃せない。

Shah Alex

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コメント

コメントありがとうございます。
米印首脳会談、終わりましたね。
ブッシュは「米印の接近が世界秩序をリードする」というような発言をしてましたが、これからどこまでインドとの関係強化に突き進むのでしょうか?注目ですね。

投稿: NIK | 2006年3月 5日 21:38

アメリカ国内にはインドとの関係強化には慎重な声も強いです。9・11以降に米印は急接近したものの、その行方はどうなるか?

インドは中東にも中国にも睨みを効かせられる位置にあるだけに今後が注目されます。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月11日 04:31

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