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2006年3月16日

イラン・レビュー:ハーバード大学にて神権政治打倒集会

イラン・フリーダム・コンサートという団体の企画委員会から以下のようなメールを受信しました。ご一読いただき、シーア派神権政治の打倒の運動に参加しましょう。

緊急のお知らせ

ハーバード大学にてイラン・フリーダム・コンサートが開催され、イラン国内の学生による民主化運動を支援

【マサチューセッツ州ケンブリッジ】―― 来る318日土曜日にハーバードにてイラン・フリーダム・コンサートを迎え、イランの学生民主化運動を支援する集会が開かれる。イラン人の学生運動の指導者アクバル・アトリ君とハーバード大学学部生委員会会長のジョン・ハドック君が演説を行なう。

今回の集会の委員でハーバード・ミドルイースト・レビューの編集者の4年生アダム・シャウアー君は「核問題をめぐって緊張が高まる中で、我々学生運動としては人権問題にも焦点を当てたい」と語っている。

「イランの学生にはアメリカの学生が当然だと思っているような権利さえ認められていない。だがイランの学生は変化を求めて勇気ある活動をしており、アメリカ人としても彼らを支援したい」ということだ。イランでは近年に入って学生運動が全国に広がり、警察当局の厳しい取り締まりにもかかわらず衰える気配はない。

コンサートは当日の午前9時よりレベレット・ハウスにて開催され、イランの圧政に抗議するための演奏と演説が行なわれる。9団体が参加し、民主・共和両党の学生委員会が呉越同舟するという異例の盛り上がりである。

実行委員の1年生アレックス・マクリース君は「集会では軍事介入のような政策論議は行なわれない」と言う。「しかしイラン国民の基本的人権が核交渉のうえで犠牲にされてはならないということでは、皆一致している」という。

ペルシア暦で正月に当たるノルーズを前にイラン・フリーダム・コンサートは開催され、新年がイランの自由の幕開けとなるようにという学生達の願いが込められている。

1年生の実行委員ニック・マンスク君は「イランの学生はブログに書いた内容で逮捕されてしまい、手錠をかけられて試験を受ける羽目になっている」と言う。「このようにライブ・ソングや男女混合のダンス、そのうえ政治討論までありというコンサートをイランでやろうものなら法によって罰せられる。女性や少数民族、ジャーナリストへの抑圧がいかほどかわかろうというものだ」とまで述べている。

こうした運動はアメリカ各地に広がり、ジョージタウン、ペンシルバニア、デュークといった大学でも集会が予定されている。イラン人の反体制派や全米イスラム会議も参加して、運動への支持を表明することになっている。

「イランにとって今が正念場だ」とシャウアー君は言う。「イランの民主化運動はアメリカの学生達の支援があることを忘れないで欲しい。イランの活動家は私たちの支援を追い風に市民の権利拡大を達成して欲しい」と語っている。

詳しくは http://www.IranFreedomConcert.com または電話 617.661.0053へ。

Shah Alex

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中東&インド」カテゴリの記事

コメント

こんばんは、記事を興味深く拝見させて頂きました。

現代のイランが神権政治と仰いますが、イスラム自体が政教一体の宗教ですからね。いちおう現代のアフマディネジャド大統領は選挙を経て民主的に選ばれましたが、サウジに至っては選挙制度そのものもない(しかも、女性に参政権なし)絶対王政です。法律もイスラム聖法そのままであり、神学者が恣意的にこじ付け解釈する。

ホメイニが神権政治に先鞭をつけたよりも、オスマン・トルコの例を見れば、元々イスラム圏では神権制的な傾向に流れると思われます。
イランはかつて石油を自主管理しようとするモサデクのような政治家もいましたが、アメリカに潰されましたね。返り咲いたのがパーレビです。彼も様々改革を果たそうとしたのですが、国民を啓蒙しようとしても、聖職者の抵抗で阻まれました。

最近『シリアナ』という映画を見ましたが、実に面白かったです。

投稿: mugi | 2006年3月18日 20:38

>返り咲いたのがパーレビです。彼も様々改革を果たそうとしたのですが、国民を啓蒙しようとしても、聖職者の抵抗で阻まれました。

イランはサファビー朝によってペルシア人に主権が取り戻されましたが、その時以来、シャーとイマームの二頭政治になりました。世俗支配権は王が持っても、シーア派僧侶の後ろ盾がないと支配者としての正統性を訴えられない有り様でした。

トルコのようにスルタンとカリフの両方を廃止してしまえば、もっと早く近代化の途を歩めたのでしょうが、レザ・ハーンが改革を進めようにも宗教勢力が邪魔になりました。

今のイランの民主化・近代化にはケマル・アタチュルクやパーレビ父子のようなワンマンは要りません。その代わりに一般国民の意識が高まっています。この点はサウジアラビアなどと違います。

アフマディネジャド大統領は確かに「民主的」な選挙で選ばれましたが、知識人や若年層は選挙をボイコットしているので正統性には疑問があります。そもそも、今のイランではシーア派の長老の承認なしでは立候補すらできない状態です。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月19日 16:59

舎さん、丁重なコメントをありがとうございました。

果たしてイランで知識人の影響力がどれだけあるでしょう。それほど「一般国民の意識が高まって」るのでしょうか。
サファヴィー朝時代から現代に至るまで、聖職者の長老の力が大きいのは何故でしょう。イスラム革命を支持したのも若年層でしたが。
異教徒が露骨にイランの反体制派を支援するのは、むしろ弊害が大きくはないでしょうか。

投稿: mugi | 2006年3月20日 20:53

はじめまして。
「KPの小間使い」のyo_shinobooです。トラックバックありがとうございました。
とりあえずお礼を、との訪問でしたが、興味深く拝見しました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: yo_shinoboo | 2006年3月22日 01:24

今朝の産経新聞一面トップ記事「イラン核阻止で米国が日本に凍結要請」を論評する中で、こちらのサイトを紹介させて頂きました。
よろしくお願いします。

投稿: 極右評論 | 2006年3月23日 08:40

mugiさん、

イランでシーア派長老の力が強いのはサファビー朝以来のシャーとイマームの両立があるでしょう。もっとさかのぼれば、ササン朝がアラブ人に敗れてから、ペルシア民族の指導者の正統性の拠り所がシーア派のイマームになってしまったことにあると思われます。

>異教徒が露骨にイランの反体制派を支援するのは、むしろ弊害が大きくはないでしょうか。<

確かに現在の反体制運動を指導しているレザ・パーレビ元皇太子やマリアム・ラジャビ女史らは抵抗の主役はイラン人自身で、それを西側が支援するのが望ましいと主張しています。

もっとも、キュロス2世がユダヤ人をバビロニアから解放したように、本来のイラン人は宗教的にはもっと寛容なはずです。現在のイスラム共和制があるべき姿とは思えません。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月23日 17:38

yo_shinobooさん、

どうもコメントありがとうございます。今後も宜しくお願いします。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月23日 17:41

極右評論さん、

サンケイの記事は興味深そうですが、アメリカはインドに対してあれほどパイプライン建設の中止を求めていたので、日本にも当然そうした要求がされる訳です。

それにしても日本の政治家はいまだにメール問題のような下らないことに労力を使っています。無駄なことです。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月23日 17:45

舎さん、こんばんは。

ブッシュがイランの民主主義思想普及のため予算8千5百万ドルのファンドを設立すると発表したそうですが、イランの人権活動家はそれを迷惑極まるとの話が14日のワシントン・ポスト紙に載ったとか。特派員のインタビュー記事にはこうありました。
「あのような宣伝活動攻勢をされると、当局が神経質になって我々は皆鬼畜米国の手先になる。おまけにその金はアメリカに無事亡命している人たちが牛耳る。我々国内で戦っている者は言論の自由など少しずつ許された範囲を拡張するよう慎重にやっているところ、彼らは過激な事を唱えがちで、我々の仕事を難しくする。全く愚かな、逆効果ばかりもたらす」

アメリカもこれは“善意の寄付”ではないでしょうから、そのツケを日本に回されても困りますね。

聖書に書かれた為キュロス2世は西洋人には馴染み深くとも、イランではすっかり忘れ去られた英雄です。
そして二千五百年も前のイランと、イスラム化した現代ではかなり状況が異なるのではないでしょうか?キュロスの時代は大らかな多神教時代で、ゾロアスター教にしても一神教といい難いところがあります。
サーサーン朝はゾロアスター教が国教でしたが、布教しない民族宗教なので、キリスト教化したローマよりも他宗教に寛容でした。
しかし、イラスム化してからは、以前のような寛容さは失われました。インドに多くの難民となって移住したゾロアスター教徒やバハーイー教徒がいい例です。

私は反米ではありませんが、親米では決してありませんので、見解の相違についてはどうぞご容赦ください。
基本的にかつての大英帝国とアメリカは変わりないと思っています。

投稿: mugi | 2006年3月25日 00:28

国際政治であれ国内政治であれ、全てが「善意」で動かされることはありません。この点はmugiさんが言われる通りです。ただ、何もかもを「利権の論理」で語ろうとすると、陰謀理論にたやすく陥ってしまいます。

やはり世界に向かって自分の国の主張を訴えるには、理念というものが必要になります。アメリカの民主化政策について言えば、冷戦期には共産主義の封じ込めが優先して抑圧的な政権でも親米でありさえすれば問題視しませんでした。当時の事情では仕方なかったとはいえ、冷戦後には建国の理念に立ち返って世界の民主主義普及に乗り出すことは歓迎すべきと思います。

そのやり方が高圧的で稚拙なら良からぬことです。これについては、イラン版のオレンジ革命が模索されています。

そして
>そのツケを日本に回されても困りますね。

であるならば、日本自身が明確な中東政策を持たねばなりません。現在の中東での日本は、愛想の良い石油商売のお得意さんでしかありません。

またアメリカとヨーロッパの動向にもっと注意を払うべきです。イラクをめぐって軋みが生じた米欧関係もイランでは修復されています。西側同盟の一員として米欧の動きにしっかり注意を払わねばならないはずなのですが、どうも日本の政府もメディアも大西洋同盟の動向に対して余りにも関心が低く、動きが鈍いです。「ツケ」を回されたくないなら、日本として米欧と共に何ができるのかをしっかり模索すべきです。初めに無関心であれば、後から「ツケ」を回されても文句は言えません。結局、日本の国益も大西洋同盟による平和が維持されてこそ成り立っている訳です。

最後に、ユダヤ人の問題ではキュロス大王には象徴的に言及しました。このすぐ前の記事にあるマイケル・ルービン氏によると、イランのユダヤ人人口はイスラエルに次ぎ中東第二位とか。しかもイスラエルの大統領はイラン出身とか。やはりシーア派神権体制が言うイランによるイスラエル抹殺など論外なわけです。

アメリカ帝国は大英帝国と同じくヘゲモニー国家ですが、その役割はずっと現代化されています。

投稿: 舎 亜歴 | 2006年3月26日 14:23

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