書評:日米永久同盟
これまで当ブログではアメリカ人やヨーロッパ人による英文の論文を元に議論をしてきたが、この度は日本人による日本語の文献をとりあげたい。それは「日米永久同盟:アメリカの『属国』でなにが悪い!」(光文社)と題されたもので、著者は在日アメリカ海軍司令部の長尾秀美渉外報道専門官である。この本の魅力は何と言っても主張が明快なことである。
長尾渉外報道専門官は日米同盟と今後の世界について以下のように問題を問うている。
アメリカと本気で同盟を続ける気はあるのか?
もし、アメリカの方から「日米同盟」の破棄を言ってきたら、日本はどうするのだろうか?その対策がないまま、なぜ、小泉首相はアメリカから逃げ回ってばかりいるのだろうか?なぜ「ブッシュのポチ公」と言われながら、じつはその実態がなにもない外交を続けているのだろうか?
そうした中で米軍再編成を機に軍事的な一体化の進む日本を「アメリカの属国」と批判する声に対し、長尾氏は属国なら属国なりに日米同盟をどのようにしてゆくべきかを日本国民が真剣に考える必要性を説いている。また日米同盟の強化に代わる日本外交の指針をバッサリと切り捨てており、その論旨は明快で気持ち良い。
まず序章では日本国民一般に信じられている「ブッシュ政権と小泉政権の良好な関係」というフィクションを徹底的に否定している。日米間では米軍再編に伴って沖縄駐留部隊の移動などの問題が浮上してきたが、小泉純一郎首相の関心は普天間基地の返還によって沖縄県民の歓心をかうことだけだと厳しく批判している。アメリカ側が兵力再編の理念を議論しようとしているのに、日本側はそんなことにはお構いなしだったという。
驚くべきことに小泉首相は昨年の9月に予定されていた日米首脳会談を突然キャンセルしたのは、米軍再編ばかりか牛肉輸入問題といった両国間に山積する難題に対処する自信がなくで逃げ回っていたからだという。仮にもアメリカ側が国賓待遇で小泉首相を迎えようとしていただけに、首相が日米同盟をどのように考えているのか疑問である。日本のメディアでこれをとりあげたのは「週刊文春」だけだという。その他にも第二次大戦終結60周年記念式典についても日本は敗戦国だと言って参加を渋ったりもした。こうした意識には私は怒りを感じた。何よりもアメリカのお墨付きで歴史認識問題の苦しみから解放されるというのに。
第一章では米軍の事故は何かと誇大報道をしたがるメディアの体質を厳しく批判している。また日米地位協定に関する日本国民の誤解にも触れている。この章で重要なことは、在日米軍の存在がいかに東アジアからインド洋にかけての平和と安定に寄与しているかを力説している。そして注目すべきは「属国なら属国らしく、せめて信頼関係だけは築くべき」という主張である。どういうことかと言うと、日本は自らの世界戦略も意志も持てないのなら日米同盟という基軸が揺るいではならないという。これはアメリカに盲従せよという意味ではなく、日本が主体的な行動などできない現実を直視したうえで。自由と民主主義という共通の普遍的価値観に基づく信頼関係を築くべきだと長尾氏は述べている。
二章から五章までは歴史考察で、日米関係と日英同盟について述べている。歴史をふり返って学ぶものは多いが、中でも同盟の意義が何たるかを説いている。すなわち同盟とは片務的ではなく双務的でなくてはならないと説いており、日英同盟の廃止もこのためだという。同盟の保護がなくなった日本が大東亜共栄圏などという狂気の構想で自滅したのは言うまでもない。私が気になるのは、日本の政治家は口をそろえて「アメリカに守ってもらうため」の日米同盟の必要性ばかり訴えることである。イギリスであればもっと双務的な同盟関係を口にするのだが。
六章では国連がいかに頼りにならないかを述べている。実際に長尾氏が言うように、国連の平和維持機能など、まともに働いたためしがない。どうして国連が頼りにならないかを分析したうえで、何と日本の国連脱退まで提案している。実際に国連への分担金に見合った発言力を持てないなら、日本は国連を脱退してその資金を二国間援助や中小企業の救済にでも使う方が有効だと言う。さらに日本より分担金が少なく、しかも日本のODAまで受け取りながら、国連の場で拒否権を行使して自国の国益をゴリ押しする中国を強く批判している。
さて国連を脱退したら日本はどうすべきか?七章では中華帝国やロシアの脅威に対抗するために日米同盟を100年に延長し、イギリス、オーストラリアを加えた極東民主主義平和連合艦隊の構想まで述べている。
最終章の構想はともかく、長尾氏の論点はとにかくアメリカの力なしに日本外交は成り立たないという現実直視の姿勢である。そして国連への妄信や念仏平和主義を徹底的に否定する議論には共感が持てる。最後に日米永久同盟の基盤が共通の普遍的価値観だと、筆者が再三にわたって強調していることは見逃せない。さもなければ、日本国民は中華帝国の傘下で共産党支配下の平和と安寧の下に過ごすことになると記している。特に普遍的価値観の共有ということは見逃してはならない。ネトウヨは中国の脅威にヒステリックになるばかりで、これを念頭に置かないからである。
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» 小泉首相、最後の打ち上げ花火 [私の「認識台湾」]
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日米関係は、アメリカと日本という独立した主権国家間の関係ではなく、戦勝国アメリカと無条件降伏国日本という関係から始まったことに留意する必要があります。つまり、数ある選択肢の中から、しかるべき分析と判断をもってアメリカとの同盟関係を結んだわけではなかったということです。
私は日本の最大の問題は、日米関係であろうとなんであろうと、そもそも外交関係というものに対して客観的に分析する態度を持たないということだと思います。外交関係をまるで、「朝になれば東から太陽が昇る」みたいな自然現象のようなあたりまえのもの、自明のものと捉えているということです。その一方で、日本は外交関係を捨てるとなると、いとも簡単に捨てます。戦前の日英同盟の破棄や国連脱退にせよ、日本の外交についての考え方は極端です。
この半世紀、アメリカはこれまで様々な角度から日本と同盟関係を結ぶこととはいかなることであるのかということについての分析や考察を絶えず繰り返しています。そして、時にはニクソン訪中のように日米関係を平気で無視します。そもそも外交とはそうしたものです。
なぜ日本はアメリカと同盟関係を結んでいるのか。戦後日本で、このことを論じてきたのは左翼だったと思います。しかし、左翼ですから批判的結論になります。ソ連が崩壊し、アメリカ帝国とテロリズムの対立になった21世紀の今日で、改めて日米同盟を客観的に考えるべきであるのに、戦後のズルズルとした日米関係を未だ続けているようにしか見えません。
投稿: 真魚 | 2006年5月28日 12:41
「ネトウヨ」といわれる人たちでよく見られるのが、「中韓」という表現です。
日米同盟は冷戦期は極東の最前線国として安保が必要であったと思います。そして今は同じ民主主義国家として経済関係も大きな国として、またまだまだ力不足の国ではありますが台頭していく中国との関係からみて日米同盟は必要であると考えます。中国が体制のひずみから内部崩壊始めて共和制にでも移行すれば、様子は変わりますが、日本の生命線のシーレーンを守っているのは実質はアメリカですからやっぱり必要でしょう。ただ対等な関係となるべきで是々非々ちゃんと対応できるようにしないとならない。年次要求を受け入れるだけでなく。アメリカは最近も、中国専門家と日本専門家を集めて今後の東アジア戦略をどうするかという議論を政権中枢でやっているようですね。日本はそれに類じたものをやっているのか?
ところでコメントいただいたんですが、韓国が日本を脅威に感じるというのは歴史的教育的背景があって仕方ない面もありますが、世代が変わって感情も変わってきています。ハンナラ党の大勝利もこれから効いてくるでしょう。そんなに嫌いなら、日本の政治や経済のやり方を自分の国と対比させて日本のほうが良いなんてことは言いませんでしょうし、文化交流もそんなに進まないし、観光客の行き来だってすすまないでしょう。でもそんなことないんです。その韓国を中国といっしょにして反嫌韓国感情が日本側にも多くある。特に「ネトウヨ」には多いと思います。中国と韓国を歴史批判で同調するからといって同じように扱うのは国際情勢をよくみてないのでしょう。
日本も韓国への見方をしっかりさせるべきです。
投稿: 雑誌定期購読!!記事いろいろ勝手な感想 | 2006年6月 1日 09:33
真魚さん
>なぜ日本はアメリカと同盟関係を結んでいるのか?
このことについて、日本の政治家は「アメリカに守ってもらうため」としか答えていません。先の岩国基地論争の折にも、安倍晋三はこの論理を持ち出しました。ただ守ってもらうための同盟ではなく、戦後の新生日本が国際的な立場を強める土台が日米同盟であるはずです。安全保障に関しては日本の政治家の中でもとりわけ意識が高いとされる安倍晋三がこの程度のことしかいわないことに、私はがっかりしました。
日本はアメリカの極東戦略の一翼を担う重要なパートナーという立場から、西側先進国同盟の一員でいられるわけです。
ニクソン-キッシンジャーのコンビはアメリカ史上稀に見る徹底的なリアリストだけに「時には日米関係を平気で無視」することもあります。そうならぬよう、日本は一方的に守ってもらうだけの日米同盟から、よりアメリカの戦略に不可欠なパートナーになる必要があります。
折りに触れてこのブログで取り上げる英米同盟ではこうしたことは当たり前なのですが、日本の政治家も国民も、ただただアメリカに守ってもらって太平の眠りにつくことばかり考えています。それでいながら、アメリカの戦争に巻き込まれるなでは虫がよすぎです。
少なくともスエズからハワイまでの地域で、日米同盟を軸にして理念と利害を共有するイギリスやオーストラリアとの信頼関係を強める!!
これこそが日本の国際的立場の強化の礎です。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月 3日 13:27
舎さん、
言われていることは、まったくその通りだと思います。
現状では日米関係は、そうした国家間の理念の関係ではありません。敗戦後の吉田ドクトリンには、そこまでの考えはなかったと思います。日本が経済大国になった70年代から80年代に、日本はそれまでのアメリカへの従属関係から抜け出した新しい日米関係を作るべきであったと思いますが、そうしたこともやらずにズルズルと、まるでGHQの占領時代のような関係を持ち続けているわけです。それでいて、例えば、横須賀に原子力空母が寄港しようとすると人々は反対する、というのが日本であるわけです。
アメリカはこの半世紀、何度も日本に理念の関係を持つことを投げかけてきました。その都度、日本は自国の殻に閉じこもって、日本だけの繁栄と平和を求めることをしてきたように思います。アーミテージが提起した21世紀の日米同盟の考えや冷戦後のアメリカの世界観に基づく在日米軍再編などに、まともに向かい合うことができる政治家が日本にどれほどいるのか疑問です。結局、これは日本の国益を大きく損なわせているともに、日米関係の脆さです。そして、日米関係の脆さは、東アジアの安定を崩す元になります。
日米関係については、私のブログの方でも書こうと思っています。
投稿: 真魚 | 2006年6月 4日 00:31
TBありがとうございました。
結局、集団的自衛権なんですよね。「少なくともスエズからハワイまでの地域で、日米同盟を軸にして理念と利害を共有するイギリスやオーストラリアとの信頼関係を強める」という舎亜歴さんのご意見に諸手を挙げて賛成です。アーミテージレポートも要するにそういうことですよね。「集団的自衛権は保有するが行使できない」などという解釈を改めない限りおのずから限界があります。
また、同盟というものに対する日本人の不正確な認識も改める必要があるでしょう。同盟は、それを守ろうとする意思とそれに基く国家的実行及び能力の維持がなければ紙切れになってしまいます。
投稿: 猫研究員。 | 2006年6月 4日 04:24
雑誌定期購読!!さん、
「中韓」という語句自体はそれほど問題とは思えません。少なくとも日本に対する歴史認識問題では両国の立場は共通するところが多いので。もっとも何でもかんでも両国を一緒にするのは間違いです。
それよりも私が日本人に使用をやめて欲しい語句は「特定アジア」です。極めてセンスの悪い語で、今後、日本と関係が悪化した国は全て特定ヨーロッパ、特定中東、特定アフリカ、・・・・・とでも呼ぶのでしょうか?むしろ「中華儒教文明圏」や「儒教アジア」とでも呼んだ方が社会科学的センスを感じさせます。言わずと知れたサムエル・ハンチントンの「文明の衝突」に基づいているので。
>アメリカは最近も、中国専門家と日本専門家を集めて今後の東アジア戦略をどうするかという議論を政権中枢でやっているようですね。日本はそれに類じたものをやっているのか?
確かにゼーリック発言でもそうしたことが言われていましたし、それ以前からワシントンのシンクタンクでは日本と大陸諸国との歴史認識問題をめぐる対立を懸念する声も挙がってはいました。
この問題では中国、韓国の歴史理解にネトウヨが重箱の隅を突付くように反論しています。それに大陸側も重箱の隅を突付くような反論では終わりなきサイクルに陥ってしまいます。両者が完全に歴史認識を一致させるのは不可能です。
何よりも歴史問題を利用して日本の弱体化と日米同盟の離間を画策しているのではないかという日本側の猜疑心を払拭できなければ、両者の和解を目指す話し合いは難しいのではないでしょうか。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月 4日 18:55
真魚さん、
吉田茂の場合は被占領国を一日も早く自立させねばならない状況で、理念をどうするとか考えている余裕はなかったと思います。いかに傑出した政治家とはいえ、彼は自らを「臣吉田」と称したようにやはり戦前の思想的背景を持った人物ではなかったのではないでしょうか?
70年代から80年代の日本政治と言えば、外交や安全保障ばかりか内政でも省庁や選挙地盤の利益が中心でした。
日本がグアムへの基地移転に支払った金額が高いか安いかはさておき、片務的に利益を得るだけの同盟国ならこうした資金でも払うしかないのかと思えてきます。著者の長尾秀美は同盟の双務性をしきりに強調しています。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月 4日 22:47
猫研究員さん、
>舎亜歴さんのご意見に諸手を挙げて賛成です。
どうもありがとうございます。同盟の意味もさることながら、戦後の日本国民はこの問題について考えることすら避けてきました。アーミテージ・レポートや第二次大戦終結記念式典への招待など、アメリカから手を差しのべてくる時などは日本の国際的地位向上の絶好の機会です。
妙な「平和主義」から日本の立場を悪くするような言動は謹んで欲しいものです。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月 4日 23:05
>ネトウヨは中国の脅威にヒステリックになるばかりで、これを念頭に置かない
爆笑!私自身GWで旅行中だったのですが、猫研究員さんに伺ったところ、例のローレス副次官の三兆円発言では予想通りの脊髄反射だったようで。
(防衛に関する)反米論者というのは、戦前の大和魂の復活とか核武装とかアジアとの団結とかせいぜいその程度の具体性を欠く対案しか出てこないんですよね。反米というより日米関係を自虐的にしか捉えられない層という気もしますが。(汗)
投稿: tsubamerailstar | 2006年6月 5日 22:07
>
反米論者というのは、戦前の大和魂の復活とか核武装とかアジアとの団結とかせいぜいその程度の具体性を欠く対案しか出てこないんですよね。
その割にはネトウヨ達は中韓叩きに熱をあげてます。アジアとの団結という主張とは明らかに矛盾しているのですが、一向にそんなことを気にする様子はありません。
もちろん、脅威や日本の弱体化、日米同盟の離間を目論む言動には毅然と対処すべきです。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月 7日 14:13
>その割にはネトウヨ達は中韓叩きに熱をあげて
>ます。アジアとの団結という主張とは明らかに
>矛盾しているのですが、一向にそんなことを気
>にする様子はありません。
その通りですね。
そういう人々の傾向として、親日派がいるとされる国に対して
無条件で温情を示すことがあるようです。
例えば、台湾人はみんな日本人に感謝しているとか
思いこんでいる人が多いみたいですね。
しかし、それは日教組や「地球市民」を180度ひっくり返した
だけで、極端なのは一緒です。
外国に対する認識に、リアリズムが欠如しているということです。
たとえば、朝鮮半島統一後、
変節漢の朝鮮が態度を豹変して
下手に出てくる可能性は高いです。
その時、ネット右翼はどういう態度を採るつもりなんでしょう。
きっと「同じアジアの友人として」手をさしのべろと
みんなして言い出すんじゃないですか?
「朝鮮人は本当はいいやつだった」と。
反・中韓のブロガーというのは、
その程度のレベルで留まっている人が、残念ながら多いと
いう印象を受けます。
先の大戦の間違いの始まりは、朝鮮併合と中国進出だったと
私は思います。
先に文明化した国として、朝鮮や中国を近代化させなくては
いけないなどと思いこみ、自分を見失ってしまったのです。
しかし、そのせいで、日本は陸上の防衛戦を
前方に拡張しなくてはならなくなり、天井知らずの
軍事費膨張、インフラ整備費用の増大を招きました。
東北の農民が娘を人身御供に出しているとき、
国民の税金で満州に重化学工場を作っていたんです。
秋田や北海道に作る高速道路が税金の無駄なら、
満州国など180%の無駄、もっと言えば利敵行為です。
高速道路は、数の大小こそありますが、日本国民が
受益者になれます。
ひるがえって、朝鮮や満州は
結局、何一つ日本にもたらさなかったばかりか、
今に至る反日政権の土台を作る結果になってしまっています。
社会が全体主義化したのも、政府の中にいた昭和研究会のような
転向左翼(もちろん全体主義者)がそのような暴走を
誤魔化すためだったのだと思います。
「大東亜共栄圏」「八紘一宇」などのスローガンが
まさにそれを表しています。
陸軍を中心とする全体主義者が、一連の戦争を引き起こしたのです。
毎日毎日朝鮮や中国を叩く(判で型を押したようにワンパターンな)
記事を書いているネット右翼は、そういうことを
きちんと認識することはないんでしょうね。
朝鮮半島統一後が本当に怖いです。
投稿: ろろ | 2006年6月26日 01:33
朝鮮はロシアの進出から日本を守るための安全保障として植民地化はやむを得なかったでしょう。その後、満州まで出て行ったのは余分でした。
列強の一員として力の均衡の維持に腐心すべきところを、何を思ったのか「大東亜共栄圏」だのおかしな構想にとり憑かれたのが災いの元でした。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年6月30日 04:42
なんか、遅れた返事ですみません。
>列強の一員として力の均衡の維持に腐心すべき
これ、本質ですよね。日本はそれなりの国力があったのですから。何より、日英同盟がそのことを物語っています。
ところが、日本人はこういうところになると途端にナイーブになってしまって、「白人に虐げられたアジアの民」とかそういうところに目が行ってしまうんですよね。それは戦後の左翼が第三世界云々言っていたとの、本質的に同じです。
さきの大戦から、そういう他国<自国の上杉謙信的メンタリティを持ってはいけないという教訓を引き出せない限り、日本はババを引く可能性があります。「朝鮮統一」と「中国崩壊」です。多額の援助や、それに伴う権益の確保で、戦前の二の舞になるおそれがあります。
>「大東亜共栄圏」だのおかしな構想
あれを提唱したのは、たしか近衛内閣の時ですよね。
近衛文麿の私的諮問機関である「昭和研究会」というのは、転向左翼が多数入り込んでいたようです。軍国主義の陸軍と、マルクス主義の左翼は、ともに全体主義ですから、そいつらが打ち出す構想は火を見るより明らかというわけです。昭和天皇ご自身は、米英との戦いは望まれていなかったにも関わらず、右翼の全体主義者が憲法の欠陥を利用して暴走したのが満州事変であり、日中戦争だったのでしょう。
朝鮮に関しては、私は保護国化で十分だったようにも思えます。イギリスがロシアと接しないようにインド北部に保護国を沢山持っていましたが、それと同じ発想です。「併合」はやるべきではありませんでした。日本人として認めるということですから、結果として朝鮮人が多数日本に流入して治安が悪化するという事態を戦前からすでに招いていました。
ところが、ネット右翼は朝鮮支配を「全盛だった」と宣伝するのが好きですね。確かに悪くない統治だったと思いますが、国費の20%を持ち出すというのは「過保護」といってもいいのではないでしょうか(ご存じの通り、彼らは少しも感謝していない。そもそも国際関係で一方的に感謝されようというのが甘い)。私は、そこを批判したいのです。
満州はほんとにやりすぎでしたね。
そういえば、こちらにリンクを設けていただいているのに最近気づきました。どうもありがとうございます。これからもよろしく。
投稿: ろろ | 2006年7月17日 00:20
上のやつで、不等式を間違えましたww
誤:他国<自国
正:他国>自国
こんなことだから試験に落ちるんだ。(笑)
投稿: ろろ | 2006年7月17日 00:23
>昭和天皇ご自身は、米英との戦いは望まれていなかったにも関わらず
丁度、今それが話題になっています。靖国のA級戦犯合祀をめぐって。分祀で問題が解決するなら何より。もう第二次大戦のことを引きづる時代ではありません。新たな脅威が次々に台頭しているというのに。
投稿: 舎 亜歴 | 2006年7月21日 21:16