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2006年6月 4日

NATO国防相会議と今後の世界

来る6月8日にブリュッセルでNATO国防相会議が開かれる。冷戦後の世界ではNATO軍はヨーロッパ域外でも行動するようになった。今回の会議で話し合われる問題はアメリカの戦略と対同盟国関係で重要なものになってくる。

ミュンヘン大学応用政策センターのジュリアン・リンドリー・フレンチ上級研究員はインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの5月30日版に“For the Crucial Alliance, a Day of Decision”という論文を投稿している。

その中で、今回の国防相会議では11月にリガで開催される首脳会議に向けて重要な案件が話し合われる。権威主義的傾向を強めて高圧的な外交を行なうようになった中国、不安定で信用に欠けるロシアを前に、NATOは世界規模での同盟に変わる必要がある。そのためにリンドリー・フレンチ氏は以下の問題点を提起している。

1・ 構造的な介入:

介入を行なう理由を明確に。NATOが介入するのは民主主義国の安全が脅かされた場合である。この目的を達成するためにも、どのような介入を行なうかという基本的概念を定める必要がある。

2・ スマートな組織

NATOが世界規模で行動するためには少数精鋭の軍事組織にする必要がある。安定と再建という作戦目的を達成するためにも、迅速な対応と現地での作戦の継続という二つの目的をともに満たせるような組織にしなければならない。

3・ スマートな配置転換

ロシア、中国、その他独裁国家という新しい脅威に対処するために、NATOは集団安全保障能力を高める必要がある。また、NATO軍自身も多様な作戦に適応できるように迅速で多国籍なものにしておくべきである。

4・ スマートなパートナーシップ

NATOは民主主義国であれば、アジア太平洋、拡大中東、ラテン・アメリカの国々とも手を携えられる。来る6月8日の会議は世界規模に展開するNATOに向けた第一歩である。

上記4点はNATO以外でもアメリカの同盟国にとって重要である。日本、オーストラリア、ニュージーランドはスエズからパール・ハーバーに至る地域でNATOと行動をともにできる。現在、在日米軍は再編の最中であり、この件は日本の安全保障にも死活的である。大西洋で起きることと太平洋でおきることの間には強い相関関係がある。また、インドのようにアメリカとの戦略的パートナーシップを望む国にとって国防相会議の行方は見逃せない。

これはアメリカの世界戦略に関わることで、大西洋同盟にとどまらぬ重要な問題である。

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