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2006年7月 3日

NATO、世界の安全保障に積極関与:ブリュッセル国防相会議からリガ首脳会議へ

去る6月7日から8日にかけてNATO国防相会議がブリュッセルで開催された。これは来る1128日および29日にラトビアのリガで開催予定の首脳会議に向けた準備会議である。ブリュッセル会議では加盟国の国防相が現在の危機とNATOの再編について話し合った。NATOの活動は世界規模に広がっている。中・東欧諸国からの加盟も増えている。地域紛争への介入のために緊急に行動できる部隊も必要になってくる。こうした目的のために、NATO諸国の国防相はブリュッセルの本部で以下の問題を話し合った。

現在の危機として国防相会議で大きく取り上げられたのはアフガニスタンとウクライナである。現時点では両国ともNATOに加盟していないが、冷戦後のNATOにとって重要である。アフガニスタンではNATO軍がこれまで以上に政情安定のための介入を行なうことになった。ウクライナはロシアからの圧力にもかかわらず、NATOに加盟しようとしている。そうした事情から、アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク国防相とウクライナのアナトリー・グリツェンコ国防相がブリュッセルに招かれた。

アフガニスタンに関しては、NATOは治安維持軍の兵員増強を再確認した。ヤープ・ド・ホープシェファー事務局長によれば、アフガニスタン問題は「単なる安全保障の問題ではなく」、そして「NATOは再建と開発のために治安に当っている」ということである。現段階ではNATO軍はカブール、北部、西部で任務に当っている。今後は南部でも作戦行動に従事する。

ドイツのフランツ・ヨーゼフ・ユング国防相はアフガニスタンの治安強化でのNATO軍の役割を支持した。ドイツにとって、アフガニスタンでの作戦行動は第二次大戦終結以降では初めてのヨーロッパ域外への出兵である。

アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク国防相はNATOの兵員増強に感謝し、記者会見を以下のように締め括った。

今後の事態の推移には自信を持っている。きわめて単純なことで、事務局長が述べたように国際部隊とアフガニスタン軍の増員はこれまでにないものになる。

NATO・ウクライナ委員会も今回の国防相会議で重要である。現在、ウクライナはNATO加盟を申請している。NATOはウクライナ軍の近代化を支援することになる。また、NATOはウクライナがソビエト時代から抱える余剰兵器の廃棄のために特別基金を提供する。これは世界規模での軍備管理に大きな前進となる。

上記の他にもダルフールやコソボの問題も話し合われた。

組織の再編も議論された。NATOは20021122日のプラハ首脳会議でNATO緊急反応部隊(NRF)という部隊を設立していた。これは三軍合同部隊で、遠方にも緊急の出兵ができる。イギリスのデス・ブラウン国防相はNRFへの英軍投入を増強すると公表した。アメリカのドナルド・ラムズフェルド国防長官のあるスタッフは、アメリカとしてもこうした進展は歓迎だと述べた。

また、NATOはオーストラリア、ニュージーランド、日本といった域外の国とも世界規模でのパートナーシップを模索している。NATOが国際警察軍に発展しようという現在、これはきわめて重要である。オーストラリアとニュージーランドはすでにアフガニスタンで国際治安支援部隊に参加している。NATOと日本の提携は世界の平和と安定に大きく寄与するだろう。 

来る11月にラトビア首都リガで開催される首脳会議は歴史の分岐点になるであろう。NATOは新しい時代に向かって進化しており、重要な問題を「新しいヨーロッパ」の首都で議論する。この首脳会議の結末は今世紀の世界の安全保障に重大な影響を及ぼす。リガ首脳会議は見逃せないし、会議までの準備にも注意を払う価値がある。各国の大統領や首相が911後の世界の行方を話し合いにリガにやって来る。

NATO E-generation: 初級から上級までお薦めのサイト。ネイティブ・スピーカーの英語とフランス語の学習にもお役立ち。

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