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2006年7月31日

アメリカの保守支配は続くか?

今年は中間選挙の年で、ブッシュ政権の支持率が何かと取り沙汰されている。メディアは支持率の低下をセンセーショナルに伝えるが、アメリカ社会での保守の基盤は依然として強固である。2006年と2008年の選挙に向けて、保守とリベラルの動向を見てみたい。

保守の運動は依然として活発である。イギリス人のジョン・ミクルスウェイトとエイドリアン・ウールドリッジの共著でベストセラーになった“The Right Nation”(残念ながら邦訳は出ていない)では、保守思想の発展、グラスルーツでの保守運動の拡大、そして9・11以降の保守的国民感情の高まりが述べられている。かつて保守主義といえば富裕なWASPの政治思想であった。だが“The Right Nation”にも記されているように、 保守主義はもはや大企業と独立自営農民のイデオロギーではない。ジョンソン政権期の「偉大な社会」という高福祉高負担政策が破綻したこともあって、大きな政府への嫌悪感が広まっていった。その一方で保守派は頭脳面での強化をはかり、ミルトン・フリードマンやフリードリッヒ・フォン・ハイエクらの最先端の理論を採用したり、保守系のシンクタンクや財団を設立していった。さらに、両著者は保守派がグラスルーツでどのように運動を展開して自分達の思想を行きわたらせているかを詳細に分析している。現段階ではこの両面で保守派はリベラル派より優位にある。

保守派にとってもう一つの有望な動きは、黒人の保守主義の台頭である。このことは“The Right Nation”では述べられていない。ここ十年の間、新聞などで社会的成功を収めた少数民族の中にはアファーマティブ・アクション(進学や雇用の際の少数民族優遇措置)に反対する者も現れるようになったという記事を見かけることもある。白人との競争にも勝てる者にとって、アファーマティブ・アクションは利益にならない。自分達の成功が能力よりも人種割当によるものだと思われてしまっては、不利なだけである。当ブログの提携ブログである「保守思想」では、バーノン・ロビンソンをとり上げている。保守主義はもはやWASPのイデオロギーではないという現実を示すうえで、ロビンソンは典型的である。ジョン・F・ケネディとマーティン・ルーサー・キングの時代は過ぎ去った。人種平等はもはやリベラル派の得意な争点ではなくなった。

アメリカでは保守主義は依然として広い支持を得ている。こちらの英語版の提携ブログ“My Newz’n Ideas”では、保守派の人気ラジオ・コメンテーターのグレッグ・ジャクソン著Conservative Comebacks to Liberal Lies”という注目の書籍をとり上げている。そこではジャクソンはあらゆる政治問題での保守派の視点をとり上げ、リベラル派エリートの考え方をしている。主張の是非はともかく、この本がグラスルーツの保守派の間で広く支持されていることは、アマゾンの読者コメントを読めば一目瞭然である。7月半ばに出版されたばかりの本がこれほどの反響を呼ぶとは驚きである。

外交政策では、保守派の論客達はブッシュ政権に対して強い態度で臨むよう要求している。ワシントン・ポスト7月19日号の“Conservative Anger Grows over Bush’s Foreign Policy”という記事にも記されているように、「保守派の論客達はイランと北朝鮮といった長年の脅威に対して及び腰で混乱した対応であり、最近のイスラエルとヘズボラの紛争にも断固として態度をとっていない」と見なしているブッシュ大統領は二期目に入って柔軟路線を歩み始めたとよく言われている。しかし大統領も中間選挙が迫る時期に至っては、保守派の論客の声を無視できない。

リベラル派は巻き返せるのだろうか?確かにリベラル派は歴史上で重要な役割を担ってきた。ケインズ経済政策の採用、福祉の拡大、「進歩のための同盟」の設立、人種平等の達成などなどの業績を挙げてきた。しかし、リベラル派はフランクリン・D・ローズベルト、ジョン・F・ケネディ、マーティン・ルーサー・キングの遺産にすがっているだけである。三人とも偉大な指導者だが政治は時代とともに動いている。リベラル派にはFDR-JFK-MLKの理想ではなく、新しい時代に合った政治理念を示す必要がある。

当ブログの以前の記事でも述べたように、民主党はイラクをめぐって分裂している。実現可能な政策を示すこともなくブッシュ政権を批判しているだけである。イラクとアフガニスタンからの一方的な撤退ではテロの根源を絶つことなしに中東を混乱に陥れるだけなので、反戦のスローガンでは選挙に勝てない。

リベラル派を活性化するような新しい争点はある。その内の一つは、アルバート・ゴアによる「環境十字軍」である。現時点ではリベラルには充分なアピールがない。地球温暖化については賛否両論があるが、この問題でアメリカのリーダーシップに良からぬ影響があったことは間違いない。実際にブルッキングス研究所が発行し「米欧賢人会議の盟約」では、イラク戦争後の米欧分裂を修復するためにも、アメリカはCO2排出量を削減するよう提言している。しかし環境問題を争点に政権を獲得した政党は皆無である。ドイツで「緑の党」がシュレーダー連立政権に入閣しただけである。もっと強い争点を挙げないと、リベラル派はラルフ・ネーダーと大して変わらないものになる。

この他にエネルギー安全保障のような争点なら、合衆国の統治にもっと直接の関係があるものとなる。マデレーン・オルブライト元国務長官はアメリカ進歩的政策センターでのパネル・ディスカッションで「我が国は石油依存症だが、石油は世界で最も危険な地域から輸入されている」と述べ、こうした地域からの輸入エネルギーへの依存を下げるよう主張している。こうした争点で投票者の気持ちをつかめるかどうか、今後を見守る必要がある。

結論として言えば、現政権への支持率が低下したからといって民主党の巻き返しが保証される訳ではない。保守派はリベラル派に対して依然として優位にある。2006年の選挙に向けて、事態はどのように進展するだろうか?2006年と2008年は21世紀初頭で重要な年になる。 

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2006年7月26日

ヘズボラによる真の犠牲者

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中東の平和の本当に害しているのは、イスラエルでなくヘズボラである。レバノン国民はその犠牲者である。

スイスNZZ am Sonntag紙7月24日

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2006年7月23日

日本の国連常任理事国入りへの課題

アルビオンよりの投稿です。

アジアの力のバランスは変動している中でも象徴的な現象は中国の台頭と北朝鮮の脅威の深刻化である。歴史上、今ほど日本がアジア近隣諸国から孤立している時期はない。台湾は例外だが、北東アジア諸国と日本の関係は極めて悪い。実際にここ20年の反日感情は中国と北朝鮮で顕著であった。だが近年に入って日本で歴史認識を見直す動きが高まるとともに、韓国でも自国の立場を声高に主張するようになり、それが対北朝鮮宥和政策と日本植民地統治の歴史の批判という形で表れるようになった。

アジアの専門家の間では、日本は国際社会の中で自らの進路を取り損ねていると見られている。一方で日本政府は国際政治での影響力を強化しようと努めており、小泉首相はイラクとアフガニスタンでアメリカや国連の活動を支援しようと自衛隊を派遣した。小泉首相を党首とする自民党にはナショナリストも多い。小泉首相の下で自民党政権はアメリカ軍への支援によって憲法解釈を微妙に変えてきた。そして昨年は「戦略的国益」を守るために初めて台湾への政治的経済的支援を行なった。これは、台湾問題は国内問題だとする中国の立場と真っ向から対立するものである。9.11以来、日本はかつてないほど世界の安全保障に積極的に関わるようになった。日本政府は憲法9条の制約の下で軍事力の増強を模索しているが、日本の将来像においてこれが難題となる。日本が国連安保理の常任理事国として拒否権を付与されるべきかどうかという問題では、これをクリアしなければ難しい。

中国とインドの経済成長がアジアを引っ張ったことで、日本が最も大きな恩恵を受けたであろう。日本は政治、経済、軍事の全ての面で変化の真っ只中にある。力のある者が責任を担うという論理とともに上記のようなアジアの政治情勢を考慮すれば、日本が国連常任理事国入りを目指すのは驚くべきことではない。日本は北朝鮮の脅威と中国との対立に直面している。北朝鮮は1998年と2006年に日本海に向けてミサイルを発射し、国際社会の非難と制裁発動の世論を高めてしまった。だが国連が北朝鮮に経済制裁を行なおうにも、安保理で中国とロシアの拒否権に阻まれてしまう。日本が常任理事国入りする際にもこれが障害となる。アメリカの強固な同盟国である日本が拒否権を得るようになれば、ロシアと中国はアメリカと国際社会の行動に拒否権を行使しづらくなってしまう。だが日本政府が常任理事国入りを目指すなら、一貫性のある外交政策をとるとともに国連改革を支援してゆく必要がある。日本の政治家達は常任理事国の地位ばかりを気にしてアメリカのジョン・ボルトン国連大使が掲げる国連改革は気にかけていないようである。

東京はワシントンにとってアジアで最も強固な同盟国である。日本の常任理事国入りへのアメリカの支持は当選のように思える。だが逆にワシントンのタカ派の中には日本が国連改革に熱心でないと不満を感じる向きもある。実際に日本が四ヶ国グループ(日本、ドイツ、インド、ブラジル)で拒否権のある常任理事国入りをしようとした時に、アメリカは乗り気ではなかった。これはアメリカにとって由々しき問題である。一方ではアメリカは日本の台頭を支持し、政治的にも軍事的にも日本とは密接に関わり合っている。他方でアメリカの指導者層は日本の国連常任理事国入りに対して諸手を挙げて賛成という訳ではない。実はアメリカは強固な同盟国である日本が安保理に留まること以上は望んでいない。日本が拒否権つきの常任理事国の地位を望むのは時期尚早なのである。日本が国際政治でより大きな役割を担おうとし、政治家達が憲法改正を叫ぶに至って、アメリカはそうした動きを歓迎し、地域の安定と中国封じ込めに役立てようとしている。

日本が自国の外交政策の目的を明確にできるようになれるかどうかという問題は、自民党首脳部の能力を超えたものである。こうしたことも平和主義からの脱却によって変わってくる。自民党のナショナリストの間では、日本を戦前のような大国として復活させようという動きが活発になっている。日本が軍事的に「普通の国」を目指して他の大国とも対等な関係を築こうとするにおよんで、アメリカはこうした日本の動きを受け容れるべきである。国連常任理事国入りについても同様だと言えるだろうか?

日本が拒否権を行使できる国連常任理事国になろうというなら、以下のことが肝要である。

(1) 明確な外交政策目標を持つ

(2) 憲法9条を改正する

(3) 政府関係者の靖国神社参拝を控える

(4) アメリカは日中対立では日本を支持するとともに、両国の対話を促す。

(5) 日本が国際政治への関与を強めようというなら責任も担わねばならず、国連改革も推進しなければならない。

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2006年7月18日

ロシアと欧米:サンクト・ペテルスブルグ首脳会議をめぐって

以前、当ブログでカーネギー国際平和財団のアンダース・アスランド上級研究員の論文を取り上げた。スウェーデンの外交官出身であるアスランド上級研究員は、サンクト・ペテルスブルグでのサミットを好機に西側はロシアの民主化をもっと推し進めるよう要求すべきだと主張していた。ロシアが欧米先進民主主義国の会議で議長国を務めるからである。事態はそのように進展しただろうか?西側は、イランや北朝鮮の問題で見過ごせないロシアの政治的あるいは経済的な変化を理解する必要がある。

その後、アスランド氏は国際経済研究所(IIE)に移籍して上級研究員となっている。そこで発表した論文では、ロシアがサミットの参加国に相応しいか疑問を投げかけている。昨年、共和党のジョン・マッケイン上院議員と民主党のジョセフ・リーバーマン上院議員がジョージ・W・ブッシュ大統領に対し、「G8加盟国に共通する自由で民主的な規範」を受け容れない限りロシアの参加資格を延期するよう要請した。アスランド氏はG8の議長国を務めることによってプーチン政権の権威主義政治が正統化されるのではと懸念している。さらにロシアの経済規模はブラジルやメキシコと変わらない。こうしたことから、先進民主主義国の会議にロシアが参加することが相応しいかどうか疑問である。さらにロシアの参加がサミットのさらなる拡大を招く懸念もある。中国、インド、ブラジル、南アフリカまで受け容れてしまえば、主要先進民主主義国の会議は本来の姿とはかけ離れたものになってしまう。

欧米はロシアにどう対処すべきだろうか?インターナショナル・ヘラルド・トリビューン713日号の論説では正反対の議論が投稿されていた。

民主党のジョン・エドワーズ氏と共和党のジャック・ケンプ氏の両元副大統領候補は、欧米はロシアに対して強い態度で臨むべきだと主張している。テロ、大量破壊兵器拡散、気候変動、疫病などの問題で欧米とロシアの関係強化の必要性は認めてはいるが、ロシアとの間には大きな見解の不一致があると懸念している。ロシアの権威主義体制が続けば、中東や中央アジアでのアメリカの安全保障政策にも障害となる。両元大統領候補はロシアをより民主的で開放的で透明性の高い社会にするように欧米が力を注ぐべきだと主張している。

他方でイギリスのサー・ロデリック・ライン元駐ロシア大使はロシアと我慢強く接するよう主張している。ライン元大使によると現在のロシアはソビエト帝国崩壊からの移行期の真っ只中にある。安全保障では、ロシアは旧ソ連での自国の影響力低下を食い止めようとしているが、西側との対決は望んでいない。つい最近、ロシアはウクライナに圧力をかけようとしてガス供給を止めた。だがライン元大使は「エネルギー超大国」という語はスローガンと脅し文句に過ぎず、ロシアの指導者も自国の発展に外国資本と提携相手が必要なことを理解していると述べている。

ロシアが移行期の真っ只中にあることは確かである。だがクレムリンはなぜ権威主義的な内外政策をとり続けるのだろうか? 外交ではロシアは中国との戦略協調を強化し、あたかも西側と対抗するかのような態度である。KGB的な権威主義の復活はロシアと欧米の関係改善には障害となる。こうしたことは「新しいヨーロッパ」の国々では起きていない。これらの国がどれほど親欧米で民主的か、国際社会によく知られている。

サンクト・ペテルスブルグ首脳会議は冷戦後の国際政治の分岐点である。ロシアが初めてG8の議長国を務めた。パレスチナと北朝鮮の危機によって、ロシアの改革推進や旧ソ連諸国の安全保障といった問題が脇に追いやられてしまった。こうしたことはロシアと欧米の関係を決定づけるうえで重要である。北朝鮮危機でも見られたように、ロシアは権威主義的な中国と手を組んでしまう。北方の巨人は西側の対立相手なのかパートナーなのか?今回のサミットではこのことが明らかにならなかった。

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2006年7月16日

北朝鮮ミサイルと「悪の枢軸」

ついに北朝鮮が7月4日に弾道ミサイルを発射した。重要なことは北朝鮮のミサイル外交を止めさせ、イランやテロ集団のような「悪の枢軸」への核拡散を防ぐことである。7月15日には国連安全保障理事会での決議案が採択されたが、国際社会が一致団結して行動できるかどうかは予断を許さない。

朝鮮半島の専門家は、これまでのブッシュ政権の関与が不充分であったと批判している。ブルッキングス研究所のリム・ウォンヒュク訪問研究員のようなハト派は北朝鮮との対話を拒んで敵対的な態度をとるよりも、二国間協議に応じるべきだと主張している。こうした考え方はクリストファー・ドッド上院議員やバーバラ・ボクサー上院議員のようなリベラル派の間では広く支持されている。タカ派からも批判の声が挙がっている。アメリカン・エンタープライズ研究所のヘンリー・ウェンド記念研究員であるニコラス・エバースタッド氏はブッシュ政権が朝鮮半島に真剣に関わることなく中味のない言葉だけで対処してきたと述べている。

ハト派の間では二国間協議を推す声が挙がっているが、アメリカにとってこれは危険である。北朝鮮が合意を不誠実に反故にしてしまうからである。ニコラス・エバースタッド氏は金正日の強奪的な安全保障政策を以下のように説明している。

北朝鮮の指導者達は、危機の演出と軍事的脅迫によって国家生存の資金を調達することが最も安全な政策だと考えるようになった。そうなると彼らは国際的な緊張を高めて国際社会にとってできるだけ重大な脅威となるようにし、海外からできるだけ多くの物資を引き出して平壌政府の言う「主体思想」による社会主義を維持している。

ヘンリー・キッシンジャー氏がワシントン・ポストに投稿した論文に記しているように、不正行為を防ぐためには北朝鮮との合意は中国とロシアにも拘束力が及ぶものでなければならない。国連決議案は北朝鮮を六ヵ国協議に戻す圧力となるであろう。対米二国間協議とは違い、中国とロシアという二大支援国が関与しているとあってはさしもの独裁者も不正行為はできない。

多国間交渉では、各国の認識の違いが問題である。中国とロシアは朝鮮半島の非核化を望んではいるが、アメリカと日本ほどには北朝鮮のミサイル実験を切実な脅威とは感じていない。拡散防止研究センターのダニエル・ピンクストン氏とアンドリュー・ダイアモンド氏はこれを説明している。

中国が朝鮮半島の非核化を望んでいるのは確かであるが、石油や食料の支援を絶って金正日体制が崩壊するという危険を犯そうとは思っていない。そのような体制崩壊はアメリカにとっては望ましいであろうが、中国と韓国にとっては望ましくない。北朝鮮が崩壊してしまえば難民の大量流入によって中国の経済が圧迫され、政情不安に陥ることを北京政府は恐れている。

さらに以下のように続けている。

体制崩壊や不安定化によって北朝鮮の大量破壊兵器の管理が行き届かなくなって、中国領内を通過したり、非国家アクターの手に渡って中国や近隣諸国が攻撃されるようになる。アメリカが北朝鮮の大量破壊兵器関連施設を攻撃すれば中国にも被害が及び、韓国の首都ソウルも北朝鮮の反撃にさらされることになる。

韓国は宥和政策をとり続けているが、コリア・タイムズは盧武鉉大統領の太陽政策を批判している。これは良い傾向である。

中国とロシアについて共和党のジョン・マッケイン上院議員は以下のように述べている。

中国が北朝鮮をどう扱うかが米中関係を「決定づける問題」である。・・・もし中国が国連安全保障理事会を骨抜きにし続けるなら、「米中関係に深刻な影響を及ぼすであろう」と言う。

北朝鮮がイランやアル・カイダのようなならず者と組むようになれば、世界全体への脅威である。有名な “Regime Change Iran” というブログではミサイル外交でイランと北朝鮮が緊密な関係にあると報じている。

国連決議は採択された。だが金正日がどのような行動に出るかは予測できない。アメリカと国際社会は北朝鮮に対してミサイル外交で得るものがないことをわからせねばならない。これは北朝鮮だけでなく、全ての核拡散国とならず者に向けたメッセージである。

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2006年7月 8日

当ブログ「タイム」に登場

当ブログの「北朝鮮ミサイル危機」の英語版記事がタイム・オンラインの“North Korea's Missile Test: Diplomatic Arm-Twisting”という記事の関連ブログ記事に取り上げられました。ランキング表にはとても政治ブログと呼ぶに値しないような内容の貧弱なブログが多い中で、非常に喜ばしく思います。今後の当ブログの発展にもつながれば何よりです。 Shah Alex

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2006年7月 3日

NATO、世界の安全保障に積極関与:ブリュッセル国防相会議からリガ首脳会議へ

去る6月7日から8日にかけてNATO国防相会議がブリュッセルで開催された。これは来る1128日および29日にラトビアのリガで開催予定の首脳会議に向けた準備会議である。ブリュッセル会議では加盟国の国防相が現在の危機とNATOの再編について話し合った。NATOの活動は世界規模に広がっている。中・東欧諸国からの加盟も増えている。地域紛争への介入のために緊急に行動できる部隊も必要になってくる。こうした目的のために、NATO諸国の国防相はブリュッセルの本部で以下の問題を話し合った。

現在の危機として国防相会議で大きく取り上げられたのはアフガニスタンとウクライナである。現時点では両国ともNATOに加盟していないが、冷戦後のNATOにとって重要である。アフガニスタンではNATO軍がこれまで以上に政情安定のための介入を行なうことになった。ウクライナはロシアからの圧力にもかかわらず、NATOに加盟しようとしている。そうした事情から、アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク国防相とウクライナのアナトリー・グリツェンコ国防相がブリュッセルに招かれた。

アフガニスタンに関しては、NATOは治安維持軍の兵員増強を再確認した。ヤープ・ド・ホープシェファー事務局長によれば、アフガニスタン問題は「単なる安全保障の問題ではなく」、そして「NATOは再建と開発のために治安に当っている」ということである。現段階ではNATO軍はカブール、北部、西部で任務に当っている。今後は南部でも作戦行動に従事する。

ドイツのフランツ・ヨーゼフ・ユング国防相はアフガニスタンの治安強化でのNATO軍の役割を支持した。ドイツにとって、アフガニスタンでの作戦行動は第二次大戦終結以降では初めてのヨーロッパ域外への出兵である。

アフガニスタンのアブドゥル・ラヒム・ワルダク国防相はNATOの兵員増強に感謝し、記者会見を以下のように締め括った。

今後の事態の推移には自信を持っている。きわめて単純なことで、事務局長が述べたように国際部隊とアフガニスタン軍の増員はこれまでにないものになる。

NATO・ウクライナ委員会も今回の国防相会議で重要である。現在、ウクライナはNATO加盟を申請している。NATOはウクライナ軍の近代化を支援することになる。また、NATOはウクライナがソビエト時代から抱える余剰兵器の廃棄のために特別基金を提供する。これは世界規模での軍備管理に大きな前進となる。

上記の他にもダルフールやコソボの問題も話し合われた。

組織の再編も議論された。NATOは20021122日のプラハ首脳会議でNATO緊急反応部隊(NRF)という部隊を設立していた。これは三軍合同部隊で、遠方にも緊急の出兵ができる。イギリスのデス・ブラウン国防相はNRFへの英軍投入を増強すると公表した。アメリカのドナルド・ラムズフェルド国防長官のあるスタッフは、アメリカとしてもこうした進展は歓迎だと述べた。

また、NATOはオーストラリア、ニュージーランド、日本といった域外の国とも世界規模でのパートナーシップを模索している。NATOが国際警察軍に発展しようという現在、これはきわめて重要である。オーストラリアとニュージーランドはすでにアフガニスタンで国際治安支援部隊に参加している。NATOと日本の提携は世界の平和と安定に大きく寄与するだろう。 

来る11月にラトビア首都リガで開催される首脳会議は歴史の分岐点になるであろう。NATOは新しい時代に向かって進化しており、重要な問題を「新しいヨーロッパ」の首都で議論する。この首脳会議の結末は今世紀の世界の安全保障に重大な影響を及ぼす。リガ首脳会議は見逃せないし、会議までの準備にも注意を払う価値がある。各国の大統領や首相が911後の世界の行方を話し合いにリガにやって来る。

NATO E-generation: 初級から上級までお薦めのサイト。ネイティブ・スピーカーの英語とフランス語の学習にもお役立ち。

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