2008年アメリカ大統領選挙の理解へ推薦ブログ
アメリカ政治に関して外国人がアメリカ人以上に深い分析を行なうことがしばしばある。特にイギリス人とカナダ人にはアメリカ人の主流と近いバックグラウンドながら、微妙にアウトサイダーであるという利点がある。当ブログではハーバード大学のニール・ファーガソン、ローレンス・A・ティッシュ記念歴史学教授 についてよく言及している。ジョン・ミクルスウェイト氏とエイドリアン・ウールドリッジ氏はアメリカ政治での保守主義について分析した著書“The Right Nation”で余りに有名である。イギリス人の論客もさることながら、カナダ人も負けていない。ロバート・マクニール氏はPBSのマクニール・レーラー・ニューズ・アワーの共同司会を20年にわたって務めた。ピーター・ジェニングス氏は2005年に他界するまでABCワールド・ニュース・トゥナイトの司会を一人で務めた。外国人にはアメリカ政治を客観的で冷静に観測しやすいという利点がある。
今回は英エコノミスト誌のブログ“Democracy in America”を紹介したい。このブログでは昨年の11月より “US Election 2008”というカテゴリーを新設している。2008年の選挙の行方は混沌としているのは、共和党も民主党も決定的な強みを持つ候補者がいないからである。また、内政から外交にわたって広い範囲の問題も議論される。エコノミスト誌のブログではそのように複雑で広範にわたる問題を明快に論じている。来る選挙の動向を素早く理解するうえで、このブログを推薦したい。
メディアは知名度の高い候補者に注目しがちであるが、”Democracy in America”ではグラスルーツの動向、隠し玉となりそうな候補者、新しい選挙運動スタイルについてもとりあげている。最近の記事をいくつかとりあげてみたい。
12月30日の最新記事“Joe-mentum for Biden?”で “Democracy in America”は 民主党のジョセフ・バイデン上院議員が選挙戦を離脱すると見られる理由を論じている。バイデン上院議員は上院外交委員会で長年にわたって多いに活躍してきた。ヒラリー・ロッダム・クリントン氏もバラク・オバマ氏もバイデン氏の経験には足元にも及ばない。また、バイデン氏は議論の場でタフである。しかしながら、ジョセフ・バイデン氏はメディアの注目を集めるに充分な資金を調達できなかったが、それはクリントン、オバマ、エドワーズの上位三氏ほどの華がないからである。資金と見栄えのしやすさが選挙をそこまで左右することは残念であると私は思う。
12月13日の別の記事“What Might Define the Next President”では、バージニア大学のブライアン・バロー教授のコメントが引用されている。バロー氏によると、今日の大統領候補者達は過去の候補者達よりも自らが庶民の代表だと気取ることが多いという。しかし現在の候補者達の言動にも以下のような矛盾が見られるという。
彼女は二兎を追っている。彼女のメッセージには「私は庶民の代表です。女性です。未だに女性の大統領はこの国では誕生していません。」というものがある。その一方で「私は権力の中枢を知り尽くしています。夫が政権の座にあった時期に重要な意思決定の場には参画していましたし、その場面で少なくとも何らかの役割を果たしました。」というメッセージを発している。
この記事は現在の候補者達ばかりかリチャード・ニクソン、リンドン・ジョンソン、フランクリン・ローズベルトといった歴史上の大統領達の発言にもリンクしている。この記事にあるリンク先は興味深いと思われる。
最後に11月29日の“The YouTube Debate”という記事に言及したい。この記事ではマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事があれほど注目を浴びるようになった理由を簡単に分析している。この記事はCNNで放送された共和党の討論会にリンクしている。YouTube のビデオが有権者に与える影響力を理解するには良い記事である。
“Democracy in America”は非常に簡潔で、アメリカ政治を客観的な視点で眺めるには多いに役立つ。イギリス人はそうした目的で分析を行なうには非常に有利な立場にある。特に専門誌に掲載される長々とした論文などを読んでいる暇などない人達にこのブログを薦めたい。



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