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2008年2月29日

日本人は共和党がお好き?

日本では2チャンネルと呼ばれるインターネット掲示板があり、匿名のネット・サーファーが特定の問題にコメントを寄せている。今回はそうした2チャンネルで「アメリカ共和党こそ日本の友である」という掲示板を紹介したい。私はここで述べられていることの全てに同意はしないが、2008年の選挙で民主党が勝つようなことがあれば日米関係に良からぬ影響を及ぼすという声は日本国内で強い。

日本国民、特に保守派(親米であれナショナリストであれ)が民主党より共和党を好ましく思うのは当然の理由がある。イラク戦争において小泉政権は米英両国によるサダム・フセイン攻撃への支持を躊躇なく宣言したが、実際には戦争に大した貢献はしていない。ブッシュ・小泉両首脳の友好関係とは裏腹に、クリントン政権期の日米関係は荒涼たるものだった。このことはヒラリー・ロッダム・クリントン候補がフォーリン・アフェアーズの論文で「米中関係は今世紀で最も重要な二国間関係」と述べて日本国民に不快感を与えたことからもわかる。日本人の多くは日本が東アジアで唯一の先進民主主義国であり、欧米主要国とともに世界の政治経済の重役の座にあることを誇りに思っている。そのため、アメリカが日本を中国より格下に扱えば、多くの日本人は耐え難い侮辱だと感じるのである。私はこうした懸念には同意する。しかし日本国民は日米同盟を議論する際にアメリカ国内の党利党略を過大視すべきではないと言いたい。

ともかく「アメリカ共和党こそ日本の友である」を簡単に振り返ってみたい。

コメント1:

民主党は労働組合と少数民族に依存している。親中反日で容共である。他方、共和党は伝統的保守派とキリスト教原理主義者の支持を得ている。親日反中で、強硬な反共である。

第二次大戦直前には共和党下院議員の90%が日米開戦に反対し、そして共和党は日本への原爆投下にも反対であった。他方で民主党はハル・ノートを突きつけて日本を対米開戦に仕向けた。

これは共和党のアメリカを支持する日本人の掲示板である。反共和党と反米主義者のコメントは差し控えられたい。

また、以下のブログが参照先として掲載されていた。

コメント8:

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当ブログがこのリストに載ったことは喜ばしい。

さらにこの掲示板の管理人は日本の親米保守と反米保守の亀裂について言及している。この掲示板によると、冷戦期には双方とも共産主義という共通の敵を抱えていたが、同じ保守でも親米と反米では戦前から基本的な哲学は水と油だという。

コメント9:

大東亜主義者(現在の反米保守):共同体主義かつランド・パワー志向

アジアにおける日本の覇権、強力な官僚機構、儒教、そして人治主義を信条としている。

親英米派(現在の親米保守):自由主義かつシー・パワー志向

アメリカの覇権による国際主義、自由市場資本主義、仏教、そして法の支配を信条としている。

こうした対照はきわめて興味深い。私はここで書かれたことの全てに賛成はしないが、日本にとって共和党の方が民主党より好ましいことには同意する。これは共和党が民主党より親日だからではない。私はアメリカでのアジア太平洋政策と親日感情よりもむしろ世界戦略の方に注目すべきと考えている。

現在、アメリカは以下の課題に直面している。それは対テロ戦争、核不拡散、中国とロシアに代表される権威主義的資本主義の台頭、そしてならず者国家である。アメリカの世界戦略を考えたうえで、私はこの掲示板と同様に共和党の方が好ましいという結論に至っている。

フォーリン・アフェアーズの論文を比較してみるとジョン・マケイン候補が最も歓迎されるべきである。それは他の候補より「親日」だからではなく、自由主義諸国の同盟を再構築して上記の難題を解決してゆくことに熱心だからである。バラク・オバマ候補もヒラリー・ロッダム・クリントン候補もテロ、ならず者国家、我々の世界秩序に対する中露両国の挑戦に対してチェンバレン的な融和姿勢である。

日本国民にとって日米関係を語る際に日中対立に過剰な注目をすることは無益である。むしろ日本はグローバルな大国としてアジア太平洋地域を超えた視点で物事を考えるべきである。アヘン戦争以来、日本は東アジアでは特殊な国となった。戦前には唯一の西欧列強の一員であったし、戦後は唯一の西側先進民主主義国である。政治的に言えば、日本はアジア近隣諸国よりもヨーロッパやオーストラリアとの方がずっと近い立場なのである。

よって、ジャパン・ハンドやアジア系ロビーを過大視することは日本にとって生産的ではない。イラク戦争直前にNHKワシントン支局長であった手嶋龍一氏は日本の外交官がネオコンよりもジャパン・ハンドに情報源を頼っていたと指摘している。手嶋氏はこうした過剰依存によって日本政府はブッシュ政権の中枢に最も近い情報源に近づけなかったと主張する。

手嶋氏の主張は妥当に思える。ワシントンの政界で外交政策の主流の座に就いているのは、ロシア、NATO、中東の専門家である。中国の台頭があるとは言え、アジアの専門家はまだ権力の中枢にはない。このことは北朝鮮非核化交渉でアメリカ代表を務めるクリストファー・ヒル国務次官補が東ヨーロッパの専門家であることからも明らかである。

日本の政府も市民もイギリスの対米外交から多くを学べる。数世代にわたってイギリスは、日本がジャパン。ハンドに依存しているほど「謎めいた」ブリティッシュ・ハンドなるものには依存してこなかった。またイギリスは二国間とヨーロッパの問題だけでなく、ロシア、中東、ユーラシア、さらにはアジア太平洋の問題までアメリカと緊密な連絡をとり続けてきた。アメリカ国内の党派やイデオロギーがどうあれ、イギリスは特別関係を維持し続けてきたのである。

私は2008年の選挙では日本にとって共和党の方が望ましいことには同意する。しかし日本国民はただ二国間とアジア太平洋からだけの視点ではなく、グローバルな観点から日米関係をとらえて欲しい。

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 山本夏彦ではないが、戦前は新聞記者は陰で「羽織ゴロ」と蔑(さげす)まれていた。ゴロとはごろつきの略である。それがいまではジャーナリスト、第4の権力と社会的な評価がきわめて高い。テレビなどの報道機関も同じで、公正、中立を旨とするのは建前で、偏ったファクターが厳然と存在しているのは、いまや当たり前のことである。その正義の旗振りが世論をねじ曲げ、誘導し、更には他国のいわれのない反日カードに使われることも、さすがに多くの国民が理解するに至った。  ここまで書くと、それがどの新聞社、通信社、その...... [続きを読む]

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