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2009年1月19日

ロシア・中国と欧米の関係:「新しき資本主義の祖国」が歩む道筋

アメリカの保守派はバラク・オバマ次期大統領による新しき社会主義の祖国アメリカを懸念しているが、新しき資本主義の祖国となったロシアと中国の方が世界の安全保障にはるかに大きな脅威をもたらす。我々の自由な資本主義と彼らの非民主的な資本主義の衝突はイスラム過激派の脅威にも劣らず重要である。ブッシュ大統領はイスラム・テロが突き付ける危険に対処するために多大な努力を行なったが、ロシアと中国の挑戦には歯止めをかけるに至らなかった。我々の自由主義世界秩序に対する両国の挑戦を理解することが従来にも増して重要になりつつある。

ロンドンのヨーロッパ改革センターでロシア・中国プログラム部長を務めるボボ・ロー氏“Ten things everyone should know about the Sino-Russian relationship” (Policy Brief; Centre for European Reform; December 2008)という論文でロシアと中国の外交政策を分析している。ロー氏はモスクワのオーストラリア大使館次席公使を歴任している。ロー氏はロシアと中国の国益と価値観は相反すると明言する。また、ロシアと中国の協調が進展しても欧米の国益を害することはなく、両国とも相互の関係より欧米との関係の強化に熱心であるという。

ロー氏は欧米の自由民主主義諸国とロシア・中国に代表される権威主義諸国の対立というネオコンの議論を批判している。こうした考え方をマルクス主義の「万国の労働者よ、団結せよ」というスローガンになぞらえているほどである。ロー氏は逆にロシアと中国は権威主義同盟を築くほど共通の国益を有していないと言う。

ボボ・ロー氏が言及した10点を振り返ってみたい。同氏は二国間の経済関係の拡大も安全保障での協力も急速に進んでいると認めている。しかしロー氏はロシアが中国にとって市場と天然資源供給国の一つに過ぎないと指摘する。ロシアにとっても対中貿易は全体のごく小さな部分を占めるに過ぎない。また、安全保障では上海協力機構には両国政府ともそれほど熱心でないという。

むしろアメリカの覇権に対する厳しい口調とは裏腹にロシアも中国も欧米との関係強化に熱心であるとロー氏は主張する。ロシアも中国も相互間よりも欧米との貿易の方が多い。さらにロシアも中国も最近の金融危機にもかかわらず欧米を自分達の経済発展のモデルと見ている。

中国経済は1980年代末よりの急速に経済発展し、ロシアとの関係で中国優位の傾向は強まっている。ロシアはエリツィン時代の経済破綻より回復したものの、経済は天然資源に依存しており技術の遅れから国際競争力は低下している。

ロー氏はロシアと中国は中央アジアで協調とともに競合の関係にあると指摘する。両国は欧米に対して結束することもあれば、互いに対立することもある。

最も重要なことに、ボボ・ロー氏は国際政治でのロシアと中国の視点は異なると主張する。ロシアは自らが東(中国)と西(アメリカ)の仲介者となることを目指しているが、中国は自らがアメリカと競合する世界の中でロシアは日本、インド、EUと共に二番手クラスの大国だと見なしている。ロシアのナショナリズムは欧米に対決的だが中国は「平和的台頭」あるいは「調和のある世界」を協調しているという。中国は多極化した世界を目指すほど向こう見ずではなく、重要なパートナーであるアメリカを刺激することはないという。

元モスクワ駐在のオーストラリア外交官であるボボ・ロー氏は中露の挑戦に関して貴重な分析を行なっている。特にロシアと中国の世界観の違いは重要である。しかし、ロー氏の祖点はリベラル過ぎるように思える。両国の意図が何であれ、どちらもアメリカあるいは欧米の優位を崩そうとする危険のある兵器を開発している。ロシアはアメリカが核兵器の生産を中止している隙にブラーバSLBMを配備した。中国は衛星撃墜ミサイルの開発に成功した。

忘れてはならない!オットー・フォン・ビスマルクのドイツはサクス・コバーク・ゴータ朝のイギリスとドイツ系の血のつながりによる友好関係を保った。しかしカイゼルはビスマルクが作り上げた軍事力によってイギリスと戦った。我々はロシアと中国の挑戦に注意深くなければならない。

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