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2009年3月31日

「若く素晴らしい」大統領が世界に試される

以前に当ブログでジョセフ・バイデン現副大統領の選挙中の発言を引用したことを思い出して欲しい。

これから言うことに注意して欲しい。バラク・オバマ氏が大統領に就任すればジョン・ケネディ大統領と同様に6ヶ月以内に世界から試されるだろう。世界は見ている。我々は47歳の素晴らしい上院議員を合衆国の大統領に選び出そうとしている。しっかり見て欲しい。この大統領を試そうと国際的な危機が作り出されるだろう。我々はそれに直面する。オバマ新大統領は難しい決断を迫られるが、どんな決断を下すかはわからない。ともかく危機が起こることは間違いない。歴史学者として、また7人の大統領の下で政治に関わった者として、危機が起こることは間違いないと断言する

就任以来、オバマ大統領は国内経済に力を注いできた。しかし4月初めには国際政治に本格的なデビューを果たすことになる。若く素晴らしい大統領は人気の高さとは裏腹に外交での経験は乏しい。今回の外遊で数多くの課題に対処できなければ、世界はアメリカをなめてかかるようになるだろう。

オバマ氏はG20ロンドン・サミットNATO60周年首脳会議に出席する。さらにNATO首脳会議を終えるとチェコのプラハで開催されるEU首脳会議にも出席する(“Obama Prepares for European Trip”; VOA News; 30 March 2009)。この長い訪欧の間にオバマ氏は4月4日から8日の間には北朝鮮ミサイル危機にも直面する。

ロンドンでオバマ大統領は先進国と途上国を相手に金融危機と経済刺激策について話し合う。ホワイトハウスのロバート・ギブス報道官は「ロンドンでは大統領とアメリカはリーダーシップを発揮するだけでなく聞き役にも徹する」と述べた(“A busy agenda fuels Obama's first trip to Europe”; AP; March 31, 2009)。しかしヨーロッパの首脳達は経済危機の悪化とインフレの懸念からオバマ政権の経済刺激策には批判的である(“Ahead of G20, Europe Rebuffs Stimulus Spending”; NPR; March 29, 2009)。ロンドン・サミットはグローバル経済の討議の場にとどまらない。オバマ大統領にとってはロシアと中国の首脳と初めて顔を合わせる場でもある。

ストラスブールとケールで開催されるNATO首脳会議は、フランスのNATO軍事機構復帰もあって大西洋同盟の発展を象徴する60周年を記念するものとなっている。先日、オバマ氏がアフガニスタンでの新戦略を公表したこともあって、これが首脳会議の最重要課題となり、同盟国はアメリカの作戦への貢献拡大を求められるだろう。さらにウクライナとグルジアも引き続き重要な議題となる。両問題はロシアの再軍事化と関連しており、プラハで話し合われるミサイル防衛問題とも絡み合っている。

ニューヨーク・タイムズのヘレン・クーパー記者はオバマ氏がアメリカ型資本主義への怒りと対決を余儀なくされ、派兵増加に消極的なヨーロッパ同盟諸国にアフガニスタンでの貢献を強めるよう説得しなければならない。そのように一筋縄ではゆかない世界に対処するうえでオバマ氏の人気は役に立たないとクーパー氏は言う(“Obama Will Face a Defiant World on Foreign Visit”; New York Times; March 28, 2009)。

オバマ大統領がヨーロッパでの外交に取り組んでいる最中に、北東アジアでも別の問題に直面することになる。北朝鮮のミサイル発射は何としても止めることが重要である。たとえキム・ジョンイルがミサイルを発射しても、アメリカは北朝鮮の膨張主義的な野望が国際社会に受け入れられないことをわからせてやらねばならない。また、中国とロシアの朝鮮半島への影響力拡大を防ぎながら、核不拡散の共通課題の解決を模索せねばならない。

ジョセフ・バイデン副大統領のあの発言に注目し、4月の動静を見守ろう。バラク・オバマ大統領は世界が突きつける最初の試験をパスするだろうか?結果がわかるのはすぐにではなく 数ヶ月後になるだろう。

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2009年3月29日

今こそアメリカは世界に関与せよ:新シンクタンクの設立

イラク戦争への世界的な批判によってアメリカの世論は孤立主義の方向に向かった。左派はチェンバレン的な小アメリカ主義に陥り、右派はアメリカ・ファーストに後退した。過激イデオロギーの世界的ネットワーク、ならず者国家、ロシアと中国の再台頭がつきつける挑戦という現状から、アメリカは我々の自由世界秩序を守るために強く世界に関わってゆかねばならない。

そうした国際政治情勢の中で、アメリカの積極介入を呼びかける新しいイニシアティブが発足した。フォーリン・ポリシー誌が運営するthe Cableというブログは、カーネギー国際平和財団のロバート・ケーガン上級研究員、ウィークリー・スタンダードのウィリアム・クリストル編集長、そしてダン・セナー元イラク暫定政府報道官によるこの運動を取り上げている(“PNAC 2.0?”; The Cable; March 26, 2009)。この団体は外交政策イニシアティブ(FPI)という名で、3月31日に開催される初のイベントでアフガニスタンでの戦略を議論する。トップクラスの政策形成者達がゲスト・スピーカーとして招かれている。その顔ぶれはジョン・マケイン上院議員、新アメリカ安全保障センターのジョン・ネーグル所長、民主党のジェーン・ハーマン下院議員、共和党のジョン・マクヒュー下院議員、カーネギー国際平和財団のアシュリー・テリス上級研究員、そして元アフガニスタン駐留軍司令官のデービッド・バーノ陸軍中将である。

ネオコンの動静を見守ることでよく知られているLobelogというブログが最近の記事でFPIを今はなきPNAC(新世紀アメリカのプロジェクト)になぞらえている(“Neo-Con Ideologues Launch New Foreign Policy Group”; Lobelog; March 25, 2009)が、これは党利党略とも反オバマ政権の政策提言を行なうものでもない。初のイベントでは民主党の政策形成者もゲストとして講演を行なうほどである。 

オバマ政権がブッシュ政権より孤立主義の傾向を強めるかどうかは予断を許さない。オバマ大統領の外交政策はこれから続くG20ロンドン・サミット、ストラスブールとケールで開催されるNATO首脳会議、そして北朝鮮のミサイル発射によって試される。しかしオバマ大統領の就任はアメリカが世界への介入を弱める傾向の象徴だと見る向きもある。権威主義的な敵対勢力や挑戦者達がアメリカをなめてかかるようなら、これは我々の自由世界秩序を脅かすことになる。よって、「問題によってどのような政治的な立場をとろうとも、そうした違いを超えて手を携えて孤立主義に異を唱える」ことは死活的に重要なのである。

私はFPIの設立趣旨に記された以下の文に強く同意する。

911以後の国際安全保障環境では)、アメリカは国際関与と同盟諸国に背を向けることはできない。同盟国には20世紀にファシズムと共産主義の打倒で共に戦った国々もあれば、最近になってイラクとアフガニスタンなどで自由を得た市民達のように新しくアメリカと手を結ぶ者もある。国際的な関与から退いて我々の経済的な課題が解決されることはない。逆に事態が悪化するだけである。

これは世界金融危機に目を奪われているオバマ大統領と主要先進諸国の指導者達に対して死命を要する重要な提言である。我々は再び歴史からの休暇を過ごすわけにはゆかない。

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2009年3月20日

当ブログ記事、シンクタンクのHPに掲載

先日、当ブログの「オバマ大統領の国防費削減がはらむ危険」という記事が財団法人日本国際フォーラム百花斉放というオンライン・ジャーナルで取り上げられました。編集により元のブログ記事とは若干の違いがありますが、内容はほぼ同じです。

投稿記事は連載1連載2になります。

私と同じ時期の投稿者は、広中和歌子参議院議員、角田勝彦元大使、木下俊彦早稲田大学訪問教授、軍事ジャーナリストの神浦元彰氏、政治評論家の杉浦正章氏、評論家の鍋嶋敬三氏といった方々です。

このような場でブログ記事を取り上げて頂けることは大いに名誉なことです。今後とも、より良い政治提言を行なってゆこうと思います。

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ナーシかナチか?:若く危険なプーチン氏の親衛隊

以前の記事でユー・チューブのビデオによって国歌を通してロシアの歴史を語った。現在のロシア国歌はユー・チューブでも非常に多くのビデオが観られるほど人気が高い。

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ナーシの旗

そうしたビデオの中に、私は斜め白十字の赤い旗を振る人々を見かけた。「国歌から見るロシアの歴史」の記事では最後のビデオでその旗が見られる。彼らはナーシすなわち我々のものという意味の青年団体のメンバーである。ナーシは親プーチン派のナショナリスト団体で、親プーチン運動の指導者バシリー・ヤケメンコ氏が2005年に設立した。

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ナーシのパレード(写真:BBC)

この団体について簡単に述べたい。ナーシのホームページはあるのだが、ロシア語でしか書かれていない。ウラジーミル・プーチン氏の下でのロシア政治にかなりの影響を及ぼしているにもかかわらず、ナーシの性質についてはよく知られていない。ウィキペディアによると、この運動はメドベージェフ大統領とプーチン首相が率いる与党の統一ロシアと緊密な関係にある。欧米のメディアではナーシはプーチン氏を支持するカルト集団で反対勢力への脅迫を目的に設立されたと広く信じられている。この運動はソ連の強さとロシアの悠久の伝統を渇望している。ヒトラー青年団との類似を指摘する者もある。

ナーシは大学や高校のクラブ同士の結びつきのようにロシアの若者の間に広まっている。内政でも外交でも強硬論のイデオロギーながら、若者達はナーシのキャンプや行事をロック・コンサートの感覚で楽しんでいる。キャンプで若者達は恋人まで見つけるほどである(“Russia’s youth rises to champion old values”及び“The Kremlin’s new commissaries”; BBC News; 12 July 2006)。ナーシが若者を惹きつける方法はある意味で2008年のアメリカ大統領選挙でオバマ陣営がとった方法に何か似ている。

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若者達と語り合うプーチン氏(写真:BBC)

ウクライナとグルジアのオレンジ革命とバラ革命に脅威を感じたクレムリンは、ロシア国内で自分達の体制に忠実な団体を支援している。極めて驚くべきことに、ナーシのメンバーがモスクワのエストニア大使館を恫喝した際に、こうした暴力的な若者達がクレムリンに招待されながら親エストニアの温和な抗議運動は警察の暴行を受けている(“Putin's children”; International Herald Tribune; July 5, 2007)。

プーチン氏は愛国心と社会不安の高まりをうまく利用している。国民はソ連邦の崩壊から祖国の地位が低下し、社会福祉も悪化している現状に不満を抱いている。NATOがロシアの衛星諸国に拡大しようとしていることは安全保障上の不安を掻き立てている。経済での貧富の差は拡大し、アルコールと薬物の中毒者数は増加している。共産主義体制崩壊後の混乱の真っ只中にある若者達にとって、プーチン氏は自分達の国への誇りを取り戻して未来の希望を示してくれる救世主なのである。(“The alarming spread of fascism in Putin’s Russia”; New Statesman; 24 July 2007

ナーシの影響力は依然として強い。若者達は反対勢力へのスパイ活動によってスキャンダルを広めるといったことを喜々として行なっている(“Pro-Kremlin 'Spy' Catches the Opposition off Guard”; Moscow Times; 25 February 2009)。彼らは権威主義的な指導者への自発的な奉仕を市民運動だと信じている。まるで第二次世界大戦中の日本にあった隣組のようである。

最後に、一つの問いかけをしたい。我々はこのような今のロシアと核兵器削減のような課題を話し合えるだろうか?オバマ大統領が我々の安全保障に致命的な誤りを犯すことを誰か止められないのだろうか。

*日本語版閲覧者へ

3月22日及び23日に放映のNHKスぺシャル「揺れる大国:プーチンのロシア」は必見!

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2009年3月15日

ACCJのCSR委員会へ初の出席

去る3月13日にACCJの企業社会責任委員会の会議に出席しました。会議は軽い朝食をはさんで早朝に行なわれました。委員会のメンバーと顔を合わせるのは初めてでした。

出席者はくつろいだ雰囲気の中で会議の開始を前に食べ物と飲み物を取りました。出席者の多くは自営の専門職で、他には大学職員や市民社会関係者などもいました。

2月17日の新規会員オリエンテーションでACCJが関わる活動は参加志向であると聞かされました。つまり、自分の課題で主導権を持つのは会員であるということです。同時に、何かを提案する際には発言に責任を負わねばならないので注意せねばなりません。基本的な考え方としては、素晴らしく空想的な提案をするよりも参加と貢献をすべきだということです。

これはかなり厳しいようにも感じます。しかし何かの貢献をすれば得るものもあるということでもあります。よって委員会や小グループに対して何ができるかを模索する価値はあります。

さらに、私にとって公益活動のための組織的な支援をどのように模索するかという討論を見られたことは良い機会でした。例を挙げれば、地震災害にあった中国の四川省の子供達への人道支援を行なう「専門職による児童支援」という団体は資金以外の支援を引きつける方法についてプレゼンテーションを行ないました。そうした支援には法務、会計、テクノロジーといったものがあります。

他にも雇用の多様性と環境に優しい市場経済も取り上げられました。

CSR委員会は様々な課題に関わっています。近年の一連の経済危機から、企業ガバナンスのフォーラムを開催し、アングロ・サクソンと日本の資本主義を融合した新しい資本主義を模索しようともしています。

他にも多くの課題が年内に議論されます。そうした課題を当ブログで取り上げたいと思っています。

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2009年3月10日

英米特別関係もまたチェンジか?

イギリスのゴードン・ブラウン首相はアメリカのバラク・オバマ大統領との会談と議会での演説のために3月3日から4日にかけてワシントンを訪問した。メディアはオバマ大統領がブラウン首相をどのようにもてなすかに注目したが、事の推移はNATO会議も含めた大臣会談ともセットで見守るべきである。

大西洋の両側でオピニオン・リーダー達はバラク・オバマ氏の大統領就任演説でイギリスへの言及が少なかったことを特別関係のチェンジだと解釈している。メディアの論調に言及してみたい。デイリー・テレグラフ紙はホワイト・ハウスのロバート・ギブス報道官が特別関係とは言わずに「アメリカとイギリスは互いに特別なパートナーシップにある」と言ったことに注目している。ニュー・アメリカ財団のステーブン・クレモンス上級フェローは、現政権はイギリスが目覚しい貢献をしない限り特別関係など認めないだろうと言う。他方でデービッド・ミリバンド外相とサー・ナイジェル・シャインウォルド駐米大使はイギリスがグローバル経済、アフガニスタン、パキスタン、イランといった課題で大きく貢献していると強調するWill Barack Obama end Britain's special relationship with America?”; Daily Telegraph; 29 February, 2009)。

ニューズ・ウィークは特別関係にもっと懐疑的である。唯一の超大国ならドイツ、フランス、日本、中国、サウジアラビアというようにどんな国とでも特別関係を築き上げることができる。ニューズ・ウィークはイギリスにグローバルな場面でアメリカと共に行動することで「自らの体重以上のパンチを繰り出す」という考え方をやめるようにと主張している。むしろイギリスは自らのソフトパワーに自信を持ってアメリカと距離を置くべきだと記者は主張している。イギリスにはトップ・クラスの大学もあり、議会政治の母国としての役割とともにシティーという金融インフラも備えている(“An Island, Lost At Sea”; News Week; February 14, 2009)。

イングランドにあるダラム大学のジョン・ダンブレル教授は英米特別関係が防衛と諜報の分野で確かに存在するが、両国の関係の互恵性には問題もあると言う。ダンブレル氏は安全保障での英米協調の重要課題がトニー・ブレア政権期の軍事介入から、ゴードン・ブラウン政権では2008年4月にボストンのケネディ図書館での演説に見られるようなソフトパワーの普及に移っていると指摘する。イギリスは対テロ戦争でアメリカへの最大の貢献国であるが、ワシントンの政策過程ではイギリス側の意見が必ずしも反映されていない。グアンタナモでのイギリス国籍の囚人の処遇は典型的な例である。こうした不均衡はアメリカが世界の覇権を握る立場であるという事情とともに、政治過程に統一性がないためである。ホワイト・ハウスと議会、連邦政府と州政府、省庁間の対立といった事柄がその原因である(“The US–UK Special Relationship: Taking the 21st-Century Temperature”; British Journal of Politics and International Relations; Vol. 11, Issue 1, 2009)。

オバマ大統領は非常に「現実的」なので、アングロ・サクソンの兄弟関係を重視しないというのは事実である。ニューズ・ウィークがオバマ氏は黒人初の大統領であることに言及したことは的を射ている。実際にオバマ氏は自分に忠実な何人かのリベラル派の入閣を拒絶するほど「冷血」でもある。この観点からすると、英米関係はよりビジネス・ライクなものにチェンジするであろう。

ブラウン首相がホワイト・ハウスと議会を訪問する前に、イギリスとアメリカは大臣級の会談を重ねてきた。デービッド・ミリバンド外相は2月3日にヒラリー・ロッダム・クリントン国務長官と会談し、2月19日から20日にポーランドのクラカウで開催されたNATO国防相会議でも両国の大臣が顔を合わせた。米英首脳会談の後にクリントン長官は3月5日にブリュッセルで開催されたNATO・ロシア会議に出席した。上記の会議では重要な安全保障問題が議論された。二国間の外相会談で英米両国はアフガニスタンとパキスタンへの関与を強めることを確認した(“Press Conference with Secretary of State Hillary Rodham Clinton”; UK Foreign & Commonwealth Office Newsroom; 3 February 2009)。NATO会議ではアフガニスタン、ウクライナ、グルジアといった課題が議論の的となった。その中でもイギリスはアフガニスタンではアメリカ支持の態度を最も鮮明に示した(“Hutton calls on NATO partners to do more in Afghanistan”; UK Ministry of DefenceDefence News; 19 February 2009 及び NATO Foreign Ministers”; UK Foreign & Commonwealth Office Newsroom; 5 March 2009)。

ブラウン首相のワシントン訪問では42日のG20ロンドン・サミットを控えている事情から両国首脳の会談は経済が中心であった。オバマ大統領との共同記者会見と上下両院での演説で、首相は金融危機、保護主義、グローバル経済といった経済問題について多くを語った。また、首相は議会での演説でイギリスとアメリカが共通の政治的価値観を有していることを強調した(Speech to US Congress”; UK Prime Minister’s Office News; 4 March 2009[ビデオはこちら]及び“Press conference with President Obama”; UK Prime Minister’s Office News; 3 March 2009[ビデオはこちら)。

ゴードン・ブラウン氏は日本の麻生太郎首相に次いで二番目にホワイト・ハウスを訪問したが、会談の内容はよりグローバルで広く大西洋同盟全般に関するものであった。イギリスはロンドンでのG20サミットストラスブール・ケールでのNATO首脳会議で重要な役割を果たすであろう。麻生太郎氏は経済危機もアフガニスタンも話し合ったかも知れないが、会談内容はより二国間関係中心であった。明らかに、アメリカとの会談の議題と特別関係を決定するのは問題解決能力である。

イギリスはアメリカの最重要同盟国であり続けるであろうが、不均衡な関係は懸念される。問題は、オバマ政権が民主的な同盟国の頭越しにロシアと中国との提携関係を強めようとしていることである。初のアジア歴訪の最中にヒラリー・クリントン国務長官は世界規模の安全保障への対処に中国と閣僚級のホットラインを敷設すべきだとの合意に達した。それどころか中国がアメリカの国債を買い付けていることに感謝の意を示した。これでは中国がアメリカをなめてかかるのではとの懸念が生ずる。今月のNATO・ロシア会議でクリントン長官は従来からのヨーロッパ同盟諸国よりもロシアとの話し合いに熱心であった。

英米関係からは学ぶべき教訓が多くある。そうした教訓はフランス、ドイツ、日本といった他のアメリカの主要同盟国にも重要である。ニューズ・ウィークが同盟諸国に対し、自らのグローバル問題対処能力を向上させよと言ったことは正しい。これはアメリカとの関係を自国の国益に役立てるためにきわめて重要なことである。

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