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2009年3月20日

ナーシかナチか?:若く危険なプーチン氏の親衛隊

以前の記事でユー・チューブのビデオによって国歌を通してロシアの歴史を語った。現在のロシア国歌はユー・チューブでも非常に多くのビデオが観られるほど人気が高い。

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ナーシの旗

そうしたビデオの中に、私は斜め白十字の赤い旗を振る人々を見かけた。「国歌から見るロシアの歴史」の記事では最後のビデオでその旗が見られる。彼らはナーシすなわち我々のものという意味の青年団体のメンバーである。ナーシは親プーチン派のナショナリスト団体で、親プーチン運動の指導者バシリー・ヤケメンコ氏が2005年に設立した。

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ナーシのパレード(写真:BBC)

この団体について簡単に述べたい。ナーシのホームページはあるのだが、ロシア語でしか書かれていない。ウラジーミル・プーチン氏の下でのロシア政治にかなりの影響を及ぼしているにもかかわらず、ナーシの性質についてはよく知られていない。ウィキペディアによると、この運動はメドベージェフ大統領とプーチン首相が率いる与党の統一ロシアと緊密な関係にある。欧米のメディアではナーシはプーチン氏を支持するカルト集団で反対勢力への脅迫を目的に設立されたと広く信じられている。この運動はソ連の強さとロシアの悠久の伝統を渇望している。ヒトラー青年団との類似を指摘する者もある。

ナーシは大学や高校のクラブ同士の結びつきのようにロシアの若者の間に広まっている。内政でも外交でも強硬論のイデオロギーながら、若者達はナーシのキャンプや行事をロック・コンサートの感覚で楽しんでいる。キャンプで若者達は恋人まで見つけるほどである(“Russia’s youth rises to champion old values”及び“The Kremlin’s new commissaries”; BBC News; 12 July 2006)。ナーシが若者を惹きつける方法はある意味で2008年のアメリカ大統領選挙でオバマ陣営がとった方法に何か似ている。

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若者達と語り合うプーチン氏(写真:BBC)

ウクライナとグルジアのオレンジ革命とバラ革命に脅威を感じたクレムリンは、ロシア国内で自分達の体制に忠実な団体を支援している。極めて驚くべきことに、ナーシのメンバーがモスクワのエストニア大使館を恫喝した際に、こうした暴力的な若者達がクレムリンに招待されながら親エストニアの温和な抗議運動は警察の暴行を受けている(“Putin's children”; International Herald Tribune; July 5, 2007)。

プーチン氏は愛国心と社会不安の高まりをうまく利用している。国民はソ連邦の崩壊から祖国の地位が低下し、社会福祉も悪化している現状に不満を抱いている。NATOがロシアの衛星諸国に拡大しようとしていることは安全保障上の不安を掻き立てている。経済での貧富の差は拡大し、アルコールと薬物の中毒者数は増加している。共産主義体制崩壊後の混乱の真っ只中にある若者達にとって、プーチン氏は自分達の国への誇りを取り戻して未来の希望を示してくれる救世主なのである。(“The alarming spread of fascism in Putin’s Russia”; New Statesman; 24 July 2007

ナーシの影響力は依然として強い。若者達は反対勢力へのスパイ活動によってスキャンダルを広めるといったことを喜々として行なっている(“Pro-Kremlin 'Spy' Catches the Opposition off Guard”; Moscow Times; 25 February 2009)。彼らは権威主義的な指導者への自発的な奉仕を市民運動だと信じている。まるで第二次世界大戦中の日本にあった隣組のようである。

最後に、一つの問いかけをしたい。我々はこのような今のロシアと核兵器削減のような課題を話し合えるだろうか?オバマ大統領が我々の安全保障に致命的な誤りを犯すことを誰か止められないのだろうか。

*日本語版閲覧者へ

3月22日及び23日に放映のNHKスぺシャル「揺れる大国:プーチンのロシア」は必見!

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