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2009年5月28日

ACCJ政府関係委員会へ初出席

去る5月26日火曜日に政府関係委員会に初めて出席しました。この委員会はアメリカ研究製薬工業協会のアイラ・ウルフ日本支部代表が会長を務めています。先のCSR委員会に関する記事で述べたように、軽い朝食をはさんで会合は行なわれました。

会合の重要議題の一つは議会ドアノックという日本の国会議員へのロビー活動でした。日米商工会議所は年次議会ドアノックを通じて影響力を及ぼし続けています。政府関係委員会は通常のドアノックばかりでなく、小規模でより頻繁な働きかけを日本の国会へ行なおうとしています。こうした働きかけはより特定の案件に絞ったものになる見込みです。

私は日本の国会では英語の話せるスタッフの人数がまだ充分ではなく、より頻繁で小規模な働きかけを行なうには言語の壁が立ちはだかっていると聞かされました。日本の国会議員達が未だに内向きでグローバル化に十分に対応できていないことは遺憾だと私は考えます。明治の近代化と同様に永田町(日本のキャピトル・ヒルあるいはウェストミンスター)が文明開化することを願ってやみません。

ドアノックで最も重要な点は、日米関係全般であれ特定の案件であれ、しかるべき議員を見つけ出すことです。 

私は政府関係委員会の活動をさらに理解する必要があり、そうして自らが政治に関わるようになれればと望んでいます。いずれにせよ、委員会について理解しなければなりません。初心者にとってこれが最も重要です。

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2009年5月24日

インド国民会議派の勝利と米英印メディアの論調

今回の選挙の結果、マンモハン・シン氏は首相に留任する。ジョン・マケイン上院議員の政策顧問を歴任したダニエル・トワイニング氏はインドでは党派を超えてアメリカとの関係強化が必要だとの合意があると述べたものの、国民会議派の勝利は南アジアでの対テロ戦争と海外からのインドへの投資には朗報である。アメリカ、イギリス、そしてインドのメディアの報道と論評を見てみたい。

選挙の結果はインド政治についていくつかのことを物語っている。地方政党と左翼は大幅に議席を減らした。デリー大学のマケシュ・ランガラジャン教授は1991年以来の小党依存からの反動で国民会議派が議席を伸ばしたと指摘する(“Indian Election Sidelines Regional Parties, Strengthens Congress Party”; VOA News, 20 May 2009)。国民会議派の成功は将来の首相と目されるラウル・ガンジー氏の母親でイタリア人のソニア・ガンジー氏とマンモハン・シン首相の二頭体制によるものである(“India's 'odd couple' take up reins of power”; AFP; May 22, 2009)。さらに有権者は国民会議派への最大の対抗勢力であるヒンズー教ナショナリストのBJPに懸念を抱いている。インド国民はヒンズー対イスラムの敵対関係を望んでいないのである(“Congress comes back”; Economist; May 16, 2009)。

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図表と地図:“Singh when you're winning”; Economist; May 21, 2009

国内の安定は対外関係にも好影響を与える。オバマ政権は国民会議派が引き続き政権を握るインドをアフガニスタンとパキスタンでの対テロ戦争、核不拡散、気候変動、自由貿易といった課題で重要な同盟国と見なしている(“US can't expect too much, too soon from India: US media”; Indian Express; May 21, 2009)。

対テロ戦争に関して、第二次シン政権はムンバイ・テロ攻撃事件後の安全保障とヒンズー・イスラムの和解を優先課題とするであろう(Indian government pledges security focus”; Guardian; 20 May 2009)。シン首相は独特のターバンと姓が示す通りのシーク教徒である。それは両教徒の和解を促すうえで非常に有利であり、その和解はパキスタンとの関係改善にも重要となる。

インドの外国人投資家は選挙の結果に満足している。彼らが懸念しているのはヒンズー・ナショナリストのBJPが台頭することではないのも、国民会議派とBJPの経済政策に本質的な違いはないからである。投資家が最も恐れていることはどの政党も選挙で決定的な勝利を収められないことである。出口調査では国民会議派とBJPの接戦が予想された。両党の勢力が拮抗すれば経済の自由化に後ろ向きな第三前線や共産党に主導された新しいグループが台頭しかねないからである“India's election delivers investors much needed stability”; Daily Telegraph; 18 May 2009)。国民会議派の長老カマル・ナス氏は新政権が金融、小売、不動産、労働基準で経済の規制緩和を推し進めるだろうと語っている“Election Results Fuel Optimism for Economic Reforms in India”; Washington Post, May 21, 2009)。

専門家の多くはインドの有権者がマンモハン・シン氏の経済自由化を支持していると解釈している。首相には米印核協定を実行に移す見返りにエネルギーの安定供給を得るという政策を阻む者がいない。しかし第二次シン政権は国内需要の刺激と貧困層への救済のよって世界経済危機を乗り切りながら、市場経済化も推進してゆかねばならない(Success puts India's new ruling class under pressure”; Independent; 18 May 2009)。

インドの有権者がマンモハン・シン首相に信頼を託したとあっては、オバマ政権はブッシュ政権の正の遺産を無駄にしてはならない。当ブログでは今後もパキスタンとアフガニスタンとの関係からインドには注目してゆきたい。

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2009年5月19日

環境のための政府の介入は資本主義か社会主義か?:英国製スーパー・バイクよりの考察

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現在、私は日米商工会議所のグリーン・マーケット・フォーラムの交通チームに参加している。環境意識の高まりを反映して、世界市場での自国の経済競争力の強化のために市場に介入しようとする政府も現れている。アメリカのバラク・オバマ大統領はブッシュ政権の政策を大幅に変更しようとグリーン・ニュー・ディールを打ち出している。日本の麻生太郎首相はアメリカとヨーロッパの環境意識の高まりに遅れをとるまいとしている。しかしこれは資本主義なのだろうか、社会主義なのだろうか?

イギリスの電気スーパー・バイクの事例はこの問いに対する鍵となるであろう。イギリスは政府機関のUKTI貿易投資促進局)と専門職団体のIET技術工学研究会)を通じてTTX01というレーシング・バイクを開発した。この画期的な技術によって電気による乗り物は一気に多様化できるようになる。電気による乗り物はイギリスの交通部門での二酸化炭素排出量の削減に大きく寄与するものと見られている。現在では交通部門の排出量はイギリス全体の1/4にものぼるWorld's fastest all-electric motorbike unveiled at show”; Guardian; 27 November 2008)。さらに、このモーターバイクは同サイズの通常型より軽く“Look Out for the TTX01 Electric GP Motorbike”; Electric Bikee; 7 February 2009)、騒音を殆ど出さない(125mph electric bike ready to burn rubber”; Guardian; 28 November 2008)。

UKTIとIETが共同で運営するTTXGPによると、このバイクは今年の6月12日にマン島で開催されるレースに参加する。

UKTIはブレア政権の下で1997年に設立された。その目的はイギリス企業の競争力を海外との貿易と投資を通じて向上させ、継続的で質の高い対外直接投資を誘致することである。トニー・ブレア氏は中道主義者で、市場経済を信じているがレッセ・フェールの資本主義を信じてはいない。このスーパー・バイクのプロジェクトはブレア色の強い経済政策と環境政策の賜物である。

アメリカで徹頭徹尾の保守派は、このようなプロジェクトを社会主義的だと見るかも知れない。だが政府は研究開発を支援してもレース自体には入り込んでいないので、これは完全に社会主義ではない。

思い出して欲しい!かつてのソ連のスポーツ選手達は全てイワン・ドラゴのように赤い政府から至れり尽くせりの支援と特権を与えられたエリートであった。しかし、このレースにはイワン・ドラゴのようなモンスターはいない。

TTXGPプロジェクトは環境意識が高まり、新自由主義への反感が強まる時代の資本主義の時代にあって政策的に多いに示唆に富んでいる。トニー・ブレア氏は首相の座にあった時期に第三の道を模索し、ゴードン・ブラウン氏によってこれが引き継がれている。バラク・オバマ氏はこのプロジェクトのような政府介入を模索するかも知れない。オバマ氏はアメリカを社会主義化するのだろうか、それとも政府と企業の協力関係のモデルを示せるのだろうか?

写真:Electric Bikee

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2009年5月 9日

インド総選挙と米印関係への影響

インドの総選挙は現在集計中で、結果がわかるのは5月16日である。インドは世界最大の民主主義国なので票の集計には時間がかかる。まずいくつかの報道を見てみたい。

この選挙では与党国民会議派とナショナリストの野党BJPに代表される既存政党に不満を抱くインドの有権者は自分達のチェンジへの希望を見出そうとしている。インドの庶民の間ではムンバイのモナ・シャー氏のような政界エスタブリッシュメントの腐敗を非難する独立系の候補が注目されている(“Independent Candidates Rising in India Politics”; VOA News; 30 April 2009)。昨年11月のムンバイ・テロ攻撃によりカシミールでのイスラム分離派の動向から目が離せなくなっている(“Indians Vote in Third Round of Staggered General Election”; VOA News; 30 April 2009)。

国民会議派とBJPは人口の多い州で多数を勝ち取ろうと熾烈な競争をしている(“Congress, BJP may spring surprises in Uttar Pradesh”; Hindustan Times; May 5, 2009)。インドの市場アナリストと外国人投資家は「現在の連立政権を率いる与党の国民会議派や野党第一勢力のBJPの影響力が後退し、組閣人事で階級政党や地域政党の影響力が対強まるのではないかと警戒している」という(“Poll worries to moderate brisk”; Express Buzz; 4 May 2009)。この選挙はイスラム過激派の危険を警戒して厳重な警備が敷かれている。与党の国民会議派も野党第一党のBJPも自分達だけで過半数を勝ち取れる見通しはなく、選挙後の組閣では小さな政党の動向が鍵を握る(“Delhi's turn in Indian election”; BBC News; 7 May 2009)。

米印核協定に関してはパキスタンの新聞が米印核協定の背後にはインドがユダヤ・ロビーを通じてアメリカの抵当にとられてしまったという事情がある。国民会議派はイスラム教徒への嫌悪感を表には出さないが、BJPはパレスチナを占領しているシオニズム体制との親密な関係を堂々とさらしていると報じている(“India is mortgaged to Uncle Sam”; Pakistan Daily News; 4 May 2009)。左翼からのそうした批判にさらされたBJPは、オバマ政権に対してアメリカとの戦略協定の実行にはインドの外注企業への課税優遇措置を維持するように要求している(“BJP to link N-deal execution to US outsourcing move”; Times of India; 6 May 2009)。

専門家は選挙と核協定をどのように見ているのだろうか?ヘリテージ財団は“Indian Elections and Beyond: Refocusing U.S.-India Engagement”と題するイベントを5月4日に開催した。このイベントのビデオは当記事の上の部分に表示されている。以下のパネリストがこのイベントに参加した。

講演者:

モハン・グルスワミ

代替政策センター(インド)設立者兼会長

ウォルター・アンダーセン

ジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツ高等国際研究学院上級助教授(南アジア研究)

ダニエル・トワイニング

独米マーシャル基金上級フェロー(アジア研究)

司会:

リサ・カーティス

ヘリテージ財団アジア研究センター上級研究フェロー

インドとの戦略提携はブッシュ政権が残した重要な正の遺産であることに疑問の余地はない(ニコラス・バーンズ氏の講演の記事を参照)。しかしインドの政府高官達はオバマ政権がインドをあまり重視せずにアフガニスタンとパキスタンにばかり気をとられるのではないかの懸念を抱いている。そうした懸念にもかかわらず、リチャード・ホルブルック特別大使はインドとの関係強化に前向きな姿勢を示している。

最初にモハン・グルスワミ氏がインドの政党と選挙政治の概略を述べた。マンモハン・シン現首相は国内と国際機関での官僚としてのキャリアとケンブリッジ大学の博士号を持っているが、グラスルーツの人気は今一つだという。ガンジー家には国民に深く根付いたカリスマがある。

インドは宗教、民族、カースト、地域の利権といった観点から多様な社会なので、グルスワミ氏は連立政権は避けられないと述べた。またアメリカとの関係は今後停滞すると見ているが、それは親米的なシン政権に野党が批判的だからである。スターリン主義の共産党はアメリカとの同盟による中国包囲に反対している。イスラム系の政党は反イスラエルである。野党第一党のBJPは米印核協定によってインドの主権が侵害されたとしてこれに強く反対している。

ウォルター・アンダーセン教授は独立以来のインドの政党史をについて講演した。独立初期のインド政治はイギリスで教育を受けた都市部のエリートに支配され、強力な官僚機構に統治されていた。さらに首相の大多数はブラマン階級出身であった。

そうしたエリート主義で権威主義的な政治情勢は1980年代末を境に変化し、社会から疎外されてきた人々の台頭によってインドの民主化が進んだ。貧困層はインドの有権者の大多数を占め、富裕層よりも投票率は高い。今日では下層カーストのヒンズー教徒と少数派宗教の信者を取り込まなければ大政党の組閣はおぼつかない。

それでもなお選挙運動への政府の管理は厳重である。バナー、ポスターどころか出口調査さえ許可されていない。このため、選挙の結果はきわめて予測しにくい。

最後にダニエル・トワイニング氏がインドとアメリカ、パキスタン、中国の外交関係の概略を述べた。

トワイニング氏はインドの台頭と国際社会への関与の強化にはアメリカとの関係の発展が重要だという政治的なコンセンサスができていると述べている。トワイニング氏はアメリカとインドの関係は、気候変動や貿易といったグローバルな課題に対処するためにより広範な枠組を発展させねばならないと主張する。米印協調の枠組は中国とアメリカの間の枠組に追いつかねばならない。

印パ関係はムンバイ・テロ事件によってインド国内のイスラム過激派の動きが活発化したために、現在は不安定になっている。

中国に関して、現在の両国関係は冷たい平和と呼ばれている。両国の貿易は拡大しているが、中国は米印核協定と戦略提携によって自国が包囲されたと感じている。

このイベントで専門家達が述べた多くの課題の中で、私は二つがきわめて重要だと見なしている。影響力を増すスラム過激派は打ち破られねばならずアフガニスタンとパキスタンの政治改革にインドが有益な役割を果たせるであろう。アメリカとの関係強化によって国際社会での地位を高めようというインドの希望をどのように受け入れてゆくかは、今世紀の平和と安全保障、そして世界経済の繁栄に重要である。

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2009年5月 6日

ブレア前首相、過激派への軍事介入を積極支持

イギリスのトニー・ブレア前首相は4月22日にシカゴ国際問題評議会「思想信条とグローバル化」と題する講演を行なった。ブレア前首相は英米両国によるイラクとアフガニスタンへの介入に対する批判に反論し、軍事介入がこれまで以上に重要になっていると述べた(“Force must be an option – Blair”; BBC News; 23 April 2009)。

私がこのイベントについて語るのは、国際世論がイスラム過激派と圧政国家の脅威を理解していないからである。またオピニオン・リーダーの中にはこうした脅威から過去のヨーロッパ植民地主義やアメリカの覇権に注意を逸らしてしまう者もいる。トニー・ブレア氏はそうした考え方は全く誤っていると言う。この講演がアメリカの同盟国であるヨーロッパと日本にとって重要な政策的示唆に富んでいるのは、我々全てが共通の脅威に直面しているからである。

左翼メディアによるジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の「カウボーイ外交」への批判の向こうを張って、ブレア前首相は国際的な尊敬と良心を代表する指導者としてイラクとアフガニスタンでの対テロ戦争に正当性を与えるうえで重要な役割を果たした。

トニー・ブレア氏は「私は国民を抑圧し自由を奪う体制は権力の座から引きずり降ろされるべきだと今も信じている」と明言する。ブレア氏はそうした圧政体制は主要民主主義諸国による軍事介入で取り除かれるべきだと信じている。

脅威が中東全土に広がり戦争が長引くのは「それにイデオロギーの基盤があり、その根は深く、そのために我々が勝利するための戦略はもっと広く包括的でありながら目的をしっかりと絞る必要があるからである」という。

さらにブレア氏は過去のイギリス植民地主義とイスラエルの建国が中東の不安定の元凶だという世界に広まっている誤解を否定している。逆にブレア氏は積極的な介入によって過激思想の根を弱体化しなければならないと指摘する。

軍事介入ばかりでなく、ブレア氏は欧米がイスラム社会のエンパワーメント(自立支援)を援助し、穏健派イスラム教徒を支援して過激思想の根を絶たねばならないと強調する。

このところ対テロ戦争への貢献が疑問視されているパキスタンについて、ブレア氏は軍事行動よりも社会変革を支援するほうが好ましいと述べている。

さらに詳しくはこちらのリンクある本文オーディオを参照して欲しい。全世界のリベラル派はバラク・オバマ大統領の就任に狂喜したが、彼らは対テロ戦争の性質を理解しなければならない。それは大統領がブッシュ氏であろうとオバマ氏であろうと「チェンジ」しないのである。トニー・ブレア氏の講演はこの重要な点を理解するうえで非常に有益である。

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2009年5月 3日

オバマ政権100日を語るブログ

就任100日は新大統領がメディアと国民との間のハネムーン期間が終える節目である。バラク・オバマ氏以上にこの節目が注目された大統領はいない。それは若く素晴らしい大統領に対するかつてない期待の高さの一方で、経験不足と政治的スタンスへの不安が表裏一体となっているからである。また、アメリカは経済でも安全保障でも岐路にある。

以下の二つのブログでオバマ大統領の就任100日間の仕事ぶりが語られている。

クリスチャン・サイエンス・モニターではオバマ政権とブッシュ政権の就任100日目の支持率を11種類に分類した地域社会ごとに比較している(“Obama vs. Bush at 100 days”; Patchwork Nation; April 27, 2009)。このブログによると、バラク・オバマ氏はジョージ・W・ブッシュ氏よりも国論を二分する大統領である。全米での就任100日目のオバマ氏の支持率はブッシュ視よりも高いが、「移民社会」、「軍事基地周辺」、「キリスト教福音派社会」のといった保守的な地域社会は新大統領に批判的である。他方でオバマ氏はリベラルの基盤である工業大都市地域の支持をしっかりと固めている。

きわめて重要なことに、オバマ氏の最大の強みは中道派の浮動票層である「富裕な郊外」と「経済活性化著しい都市」といった地域社会の支持を得ており、どちらも人口が多く経済力のある地域である。

フォーリン・ポリシーのブログではオバマ大統領の就任以来の成果についてアメリカを代表する専門家のコメントを引用している(“Questions for Obama at 100 days”; Shadow Government; April 28, 2009)。多くの専門家がイランに関して懸念を述べたのは、国務省が発行したThe Country Reports on Terrorism 2008「イランは依然として最もテロ支援に熱心な国家である。イランが中東、ヨーロッパ、中央アジアでのテロ攻撃の計画立案と資金の援助に関わっているので、国際的な平和構築の取り組みに直接の悪影響を及ぼしている。また湾岸地域での経済安定を脅かし、民主化の進展も阻んでいる」と記されていることからすれば妥当である(Chapter 3; Country Reports on Terrorism 2008)。

BBCでアメリカ国務省担当のキム・ガッタス記者はアメリカの新政権はテヘランとの話し合いを始めようとはしているが、前政権と同様にイランを最も熱心なテロ支援国家だと述べている(“Iran 'leading terrorism sponsor'”; BBC News; 1 May 2009)。

先に挙げたShadow Cabinetのブログ記事で、ドイツ・マーシャル基金のダン・トワイニング上級フェローはきわめて重要な点に言及している。トワイニング氏はオバマ大統領がアメリカは特別な国であるという建国の父達の理念を善と悪のどちらと考えているかを問うている。これは内政でも重要な問題である。保守派がオバマ大統領に異議を差し挟むのは、大統領の政策が社会主義的で個人の自由を脅かすのではと懸念しているからである。選挙期間中はアメリカ国外のメディアがブラッドレー効果に目を奪われてしまったが、人種は選挙の重要争点ではなかった。

オバマ大統領の人気にもかかわらず、グラスルーツの保守派からの反発は強烈である。過激な多文化主義、社会主義、移民の大流入に反対する学生運動の高まりは、Patchwork Nationでも述べられているようにオバマ政権が国論を二分する性質があることを白日の下にさらしている。そうした団体の中でもYouth for Western CivilizationLeadership Instituteの影響力が強まってきている(“Right-Wing College Group Riles Students on Campuses Nationwide”; FOX News; April 29, 2009)。

統計上はオバマ大統領の支持率は高く、海外での大統領の人気の高さはアメリカ外交に何らかのプラスとなるかも知れない。しかし建国の父の理念に最も忠実な保守層はバラク・オバマ氏に批判的である。アメリカがアメリカである限り、大統領は内政でも外交でもこうした挑戦を突きつけられる。

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