オバマ大統領にロシア政策の「チェンジ」を要求する公開書簡
外交政策の重鎮となる専門家と上院議員達がバラク・オバマ大統領に対してロシアに毅然と立ち向かうように要求する公開書簡を送った。7月1日、ロバート・ケーガン氏とウィリアム・クリストル氏が最近設立した外交政策イニシアチブというシンクタンクがオバマ大統領に、来るモスクワでの米露首脳会談でロシアの人権と民主主義について取り上げるように要求した("Open Letter to President Obama on Democracy and Human Rights in Russia"; Foreign Policy Initiative; July 1, 2009)。
約40名の賛同者はオバマ氏に世界的に有名になったプラハとカイロの演説で述べた自由の理想を実行するように要求した。この書簡に署名した専門家達はウラジーミル・プーチン氏の大統領就任以来、ロシアで政治的自由と経済的自由が後退していることに懸念を表明した。書簡の文末で、賛同者達はオバマ大統領にロシア市民と周辺諸国の犠牲の上に立って米露関係をリセットしないようにと強調した。
翌日、ジョン・マケイン氏とジョセフ・リーバーマン氏らの影響力のある上院議員達が大統領にロシアとの戦略兵器削減条約(START)の更新の交渉でミサイル防衛計画を取りやめないように圧力をかけた。署名した上院議員達はアメリカと同盟国の国益が犠牲にされてはならないと主張した(“Letter to President Obama from Senators Inhofe, Lieberman, Kyl, Nelson, McCain, Begich, Sessions, Johanns, Wicker, and Hatch”; July 2, 2009)。
両書簡が公開されたのはきわめて重要な時期である。つい最近、オバマ大統領はイランとホンジュラスの独裁者非難の動きが鈍いことを批判された。両書簡ともバラク・オバマ氏に合衆国の大統領に相応しい行動を求めている。
両書簡は当時のビル・クリントン大統領のイラク政策に関して送られた書簡と何か似ている。「新世紀アメリカのプロジェクト」(PNAC)はサダム・フセインに対して動きの鈍いクリントン氏を批判した。今やロシアはクリントン政権期の外交の失敗を象徴するかのように新たな脅威として再登場した。
両書簡はロシア問題にとどまらず、アメリカ外交全体に大きな意味を持つ。試されているのはオバマ大統領の外交政策能力にとどまらず、アメリカの理念に忠実で献身的に行動できるかなのである。
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