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2009年8月13日

ペトレイアス大将、イラクとアフガニスタンを語る

デービッド・ペトレイアス陸軍大将は6月11日に新アメリカ安全保障センターで開催された「アメリカの新しい安全保障のバランスを考える」というイベントで主賓講演を行なった。ペトレイアス大将はイラクでの成功であまりにも有名で、現在はアメリカ中央軍の司令官としてカザフスタンからケニア、エジプトからパキスタンまでを担当している。昨年の大統領選挙では共和党のジョン・マケイン候補がペトレイアス氏を最も耳を傾けるべき人物と評していた。

上の1時間を少し超えるビデオを観て欲しい。ペトレイアス氏は多国籍軍がどのようにイラクで成功を収めたか、そしてアフガニスタンでこの成功をどのように適用するかを語った。また、多国間での政策のやりとりがどのように進められるかについても語った(テキストはこちら)。

きわめて重要なことに、ペトレイアス大将は「反乱分子鎮圧のための軍隊の任務は住民の安全と国民生活の保護である」と規定している。反戦、反米、あるいは反西欧の左翼達はこの発言を噛み締めて、血生臭いテロリストと独裁者に味方するような怪しげな政治工作から手を引くべきである。

イラクでは連合軍はグリーン・ゾーンから出てイラク国民の近くに住むことに決定し、兵士と現地住民の協調が進んだ。アフガニスタンでは多国籍軍の兵士が住民の中に住もうにも小さな村や非都市部では空き家を探すのは難しい。しかしペトレイアス氏は欧米軍が村の近くに駐屯することで良き協力者にも良き隣人にもなれる。同時に妥協の余地のない悪党は捕らえて殺害せねばならない。

対テロ戦略の図表をスライドで展示しながら、デービッド・ペトレイアス大将は連合軍は「現地住民からのテロリストへの支援を断つには、彼らの動向の捕捉、イデオロギーへの攻撃、指揮命令系統の妨害、テロリストと幹部との連絡の遮断、資金流入の阻止、兵器と現金と爆発物の没収、外国人志願兵の流入阻止」が必要だと述べている。イラクではこのようにして多国籍軍はシリアにある根拠地からのテロリストへの支援を断った。アフガニスタンではパキスタンのトライバル・エリアとバルチスタンからの支援を断つために似たような方策がとられる。

ペトレイアス大将は穏やかで知的で明快な口調で語り、時折ユーモアも交えている。このビデオはイラクとアフガニスタンの戦略ばかりでなく氏のパーソナリティーに理解にも役立つであろう。日高義樹氏によるとデービッド・ペトレイアス氏は2012年に共和党が大統領候補に担ぎ出す可能性があるという。私には共和党にも民主党にもペトレイアス氏以上に優れた資格を備えた候補はいないと思える。尊敬される人格は政治的な価値観に劣らず重要である。

2012年について語るのは、誰が大統領に立候補するかわからない現時点では早過ぎる。いずれにせよ、このビデオを観て世界を動かす指導者の一人の冷静な頭脳と暖かい心と本物のアクション・ヒーローの精神を備えたパーソナリティーを感じて欲しい。

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