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2009年11月30日

有志の献金を求む

グローバル・アメリカン政論の発行元であるニュー・グローバル・アメリカはあなたのような有志の市民の献金を求めています。

私達は市民の力が国内あるいは国際政治で大きな影響力を及ぼす時代にいます。議会政治家や官僚達と違い、在野の活動家や組織は選挙区の狭い利権や複雑きわまる省庁の縦割りを超えて行動できます。私達には利害関係のない公正な視点から自らの政策課題を追求できます。

しかしアドボカシー(政策理念主張)活動の質の向上には皆さんからの献金が必要です。

自由諸国民よ、団結せよ!

献金金額:

個人:一口1,000円(好意次第でそれ以上)

法人:一口3,000円(好意次第でそれ以上)

銀行口座:

東京三菱銀行

東池袋支店 普通口座

口座番号:1804071

口座名義:ニュー・グローバル・アメリカ

入金の際にご連絡頂ければ幸いです。メール宛先はプロフィール・ページより。これを機にお互いに知り合いましょう。

皆様のご厚意を宜しくお願いいたします。

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2009年11月29日

ホーマッツ国務次官、早稲田大学で講演

Hormatsrobert_250_1 シンガポールでのAPEC首脳会議が終了してほどなく、ロバート・ホーマッツ国務次官(経済、エネルギー、農業担当)が「新たなグローバル経済における日米のリーダーシップ」と題する講演を早稲田大学で行なった。このイベントが開催されたのは早稲田大学の歴史的な遺産とも言える大隈講堂である。

この講演はAPEC首脳会議の直後であることを反映してか、内容はグローバルというよりは地域的なものであった(講演のテキスト文書はこちらを参照。)。極めて象徴的なことに、ホーマッツ次官は冒頭で1972年の米中国交正常化に触れた。当時の日本の政策形成者達はこれによって東アジアでの日米同盟の重要性が低下するのではと思って狼狽した。しかし、ホーマッツ氏は米中関係正常化にもかかわらず日本はアジア太平洋地域で最も重要な同盟国であり続けたと述べた。ホーマッツ氏は日本国民に中国との間で地域での主導権争いや歴史認識といった問題にとらわれぬようほのめかしている。シンガポールAPEC首脳会議ではバラク・オバマ大統領が中国の「平和的な台頭」を歓迎する旨を表明し、自国の保守派から厳しく批判されている。

ホーマッツ次官の中国に対する態度は地政学的な観点を超えたものである。ホーマッツ氏は気候変動、代替エネルギー、開発援助、世界経済といった一国を超えた課題に対処するには多国間のアプローチが必要だと強調した。講演の中でもG7やG8ではなくG20について何度も言及していた。ホーマッツ氏の外交政策の視点は冷戦終結時にストローブ・タルボット元国務副長官が国家アクターと非国家アクターが入り混じっての政策調整を行なうように説いた論文を思い起こさせる(“Globalization and Diplomacy: A Practitioner's Perspective”; Foreign Policy; Fall 1997)。オバマ政権はイデオロギーと地政学をめぐる抗争が終焉し、地球市民が体制の違いを乗り越えた友愛という素晴らしい夢を追求するクリントン政権期のような世界を思い描いているのだろうか?

ロシアと中国に対する態度に見られるように、オバマ政権は両権威主義国家に欧米流の自由主義を普及させることには消極的である。その代わりに体制と政治的な価値観を超えて両国との対話を強めようとしている。

ホーマッツ次官は日本とアメリカが緊密な協力でこのような世界、特にアフガン戦争、環境、開発援助といった問題に対処すべきだと語った。

質疑応答の場で、私は「オバマ政権には批判的な質問で恐縮ですがよろしくお願いいたします(Please forgive me to ask a critical question to the Obama administration)」と言ってオバマ大統領がアメリカは中国の台頭を受け入れると述べたシンガポール演説への懸念を訴えた。私は日中間の主導権争いにとらわれているのではなく、The Return of Historyの視点から中国の台頭に多いに懸念を抱いている。彼らの権威主義的な資本主義が世界を席巻するようになると、アメリカや日本やヨーロッパのような自由諸国には脅威になると私は考えている。さらに、欧米の専門家やメディアは中国での過激ナショナリズムの高まりを警戒している("China's rising nationalism troubles West"; BBC News; 17 November 2009)。 シンガポール演説はプラハとカイロでの有名な謝罪自虐演説のように私には思える。

私の質問に対してホーマッツ次官は民主主義なのでどのようなご質問もどうぞと言われた。ホーマッツ氏は中国との間には政治的価値観や国益の食い違いは多くあるものの、G20やその他の多国間の枠組でアメリカと自由主義同盟国にとっても重要なパートナーであると強調した。

この講演はオバマ政権の外交政策上の視点を理解するうえで良い機会であった。私は早稲田の学生達が環境、開発、二国間および世界規模の諸問題についてなげかける質問を楽しんだ。今は私の頃よりも多くの学生が国際協力に関わるようなっているので、ホーマッツ次官と学生のやりとりは非常に刺激と活気に満ちたものであった。

写真:アメリカ国務省

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2009年11月25日

在日米軍司令官によるACCJ昼食会講演

Rice_ea6 11月5日に私は東京の有楽町にあるペニンシュラ・ホテルの昼食会でエドワード・ライス米空軍中将の講演を聴いた。ライス中将は2008年に在日米軍司令官に任命されている。

ライス中将は国際安全保障をめぐる環境の変化について講演を行ない、日米同盟が新しい課題に対処するために変化してゆくべきだと強調した。そうした課題はテロ、疫病、組織犯罪などのように主に国家の枠組を超えた性格のものである。さらにそうした脅威は国民国家同士の抗争というこれまでの脅威以上に重要になっていると述べた。中将は日本とアメリカが協力関係を深めてこうした地球規模の脅威に対処すべきだと語った。

ライス中将の講演はオバマ政権の外交政策観を反映しているように思える。確かに国家の枠組を超えた課題が突きつけられる時代には多国間の安全保障協力がこれまで以上に重要になる。しかしジョン・マケイン上院議員が現在の大統領職にあったなら、講演の内容もいく分違っていたかも知れない。自身の政治信条がどうであれ、ライス中将はオバマ政権の下で任務に当たっている。これはデービッド・ペトレイアス陸軍大将が共和党支持者の間で人気が高くてもオバマ政権の下で任務に当たっているのと同じである。ペニンシュラ・ホテルでの講演内容がオバマ色の強いものであっても何ら不思議はない。

講演後の質疑応答では参加者から日米関係と東アジアの安全保障に関して広い範囲の質問が寄せられた。そうした質問には北朝鮮、沖縄の普天間米軍基地、東アジア共同体、そして日本の一般市民の間での安全保障に対する関心といった問題が挙げられた。

東アジア共同体についてライス中将はそれが何者かを見極める必要があるので、参加者には性急な判断を下すべきはないと述べた。一般市民の間での安全保障の関心について、在日米軍司令官は必ずしもアメリカ人の方が日本人よりも安全保障に関する意識が高いとは言えないと述べた。

在日米軍司令官は非常に慎重で、以前の記事で引用したワシントン・ポスト掲載「今や最も厄介なのは中国ではなく日本だ」といった匿名の発言のようなことは言わなかった。メディアとは違いライス中将は鳩山政権を何か刺激するような発言はしなかった。

私はライス中将に対してロシアと中国で過激なナショナリズムが台頭している中で国民国家の役割が小さくなっていると言えるのだろうかという質問をした。カーネギー国際平和財団のロバート・ケーガン氏とファイナンシャル・タイムズのギデオン・ラッチマン氏というアメリカとヨーロッパを代表する論客の討論当ブログでとりあげて以来、非民主的な資本主義国となった両国の動向に注目してきた。私はロシアについてソ連の亡霊の復活、そして中国については平和的な台頭という語句を引用して、両国の挑戦にアメリカやヨーロッパや日本のような先進自由諸国はそのような政策で対処すべきかを問うた。

私の質問に対してライス中将は国家の枠組を超えた課題が重要性を増す中でも従来通りの国民国家間のパワー・ゲームは依然として重要だと答えた。またロシアと中国の挑戦に対処するには対話と封じ込めの組み合わせが必要だとも答えた。西側同盟が強硬手段だけに頼ればロシアと中国での過激ナショナリズムはさらに強まるとライス中将は言う。

私は参加者からのその質問にも丁寧に応じるライス中将の姿勢に感銘を受けた。在日米軍司令官は参加者の皆さんの関心を知るにはこのイベントが良い機会だとまで述べた。私にとってもゲスト・スピーカーと各界を代表する参加者との意見交換に参加できたことは良い機会だった。

注:当ブログ記事は投稿者の個人的な見解を反映するもので、ACCJとも在日米軍とも関係ありません。本文中の記述内容についての責任は全て投稿者に属します。

写真:在日米軍

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2009年11月15日

イラン問題に外交問題評議会の権威が論評

現在、P5+1(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、およびドイツ)とイランの間の核交渉が進展中である。イラン問題については今後の記事で詳しく述べてゆきたい。当記事では11月11日に行なわれた外交問題評議会のレイ・タケイ上級フェローへのインタビューに言及したい。タケイ氏はイラン問題には核不拡散を超えてより広い視野からのアプローチが必要になると主張する。

このインタビューでタケイ氏はイランの外交政策が国際舞台での自国の国益の特定よりも内政に左右されているという重要な指摘をしている。よって同氏はアメリカと他の当事国は核交渉ばかりにとらわれず、広い範囲の問題を視野に入れるようにと述べている。

これは今年の6月に行なわれただし棟梁選挙から政情不穏なイランに対する西側のアプローチを議論するうえで非常に重要である。今年の10月に行なわれたウィーン交渉は核不拡散の前進かも知れないが、タケイ氏は内政がイランの態度を唐突で予測不能なものとしていると述べている。イランのマフムード・アフマディネジャド大統領はP5+1に対案を示すかも知れないが、そうした対案はよく思案された国益に基づいたものではない。よって私はウラン濃縮に関して神権体制への経済的な見返りを与えても必ずしも効果はないと言いたい。

核問題に全面的に集中する代わりに、タケイ氏はP5+1に対してイランとの間ではイラク、湾岸の安全保障、中東和平交渉といったより広い範囲の問題で共通の目標を見出すべきだと論評している。他の問題でイランとの合意に至れば核交渉にもはずみがつくと言う。私がこの点に同意するのは、こうした安全保障問題がイランの核保有の野望と絡み合っているからである。また、私はリビアが核計画を廃棄したのはカダフィ氏がイスラム過激派の脅威の撃破に西側の支援を必要としているからだということに言及したい。

タケイ氏は内政問題が核交渉に対するイランの態度に及ぼす影響に言及しているので、人権問題でイランに圧力をかけるという冷戦期の戦術を活用することは理に適っている。オバマ政権は今年の大統領選挙との関連でのイラン非難には注意深過ぎる。

レイ・タケイ氏は短いインタビューの中にもイランへの対処に有益な指針を示している。イランはモハマド・レザ・パーレビ国王の失脚以来、最も重大な脅威の一つになっている。よってイランについて今後の記事で述べてゆきたい。

オバマ政権は他の問題でイランを刺激することを躊躇し、核問題に全面集中しているように見える。しかしそうした低リスク外交では労なくして得るものなしである。

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2009年11月 4日

オバマ外交の後始末役を果たすバイデン副大統領

ジョセフ・バイデン副大統領はオバマ政権の外交政策で特別な役割を担っているように見受けられる。バラク・オバマ大統領はロシア、中国、イラン、ベネズエラなどアメリカに対する敵対国や挑戦国との関係改善をはかるという新しい外交を展開している。そうした宥和姿勢に懸念を訴えるアメリカの同盟国もある。バイデン副大統領は7月のウクライナとグルジアへの訪問と10月のポーランドとチェコへの訪問でそうした懸念を宥めようとしている。ジョセフ・バイデン氏はバラク・オバマ氏の足りないところを補う役割をしているのだろうか?

以前の記事で私が述べたように、ロシア・トゥデーはバイデン氏がウクライナとグルジアを歴訪中にアメリカが両国のためにロシアとの関係を犠牲にはしないだろうと論評していた。彼らは序列という単語を用いてオバマ大統領のロシア訪問はバイデン副大統領のウクライナとグルジア訪問より重要性が高いと強調した。

ロシアがアメリカを弱いと見ていることを示すかのように、ドミトリー・メドベージェフ大統領は親欧米のユーシェンコ政権を非難して圧力をかけた。オバマ氏は世界各地のハト派に人気が高いかも知れないが、ロシアや中国のように巨大な敵対国の脅威にさらされている忠実な同盟国にとっては柔和な姿勢とアメリカの覇権に対する自虐主義は死活的な懸念材料である。ポーランドやチェコのような同盟国にとって、狡知に長けた挑戦国に対処するにはバラク・オバマ氏はあまりにナイーブで経験不足に見えてしまう。よってジョセフ・バイデン氏がこうした国々の不安を宥めることが期待されている。

バイデン氏が10月に東ヨーロッパを訪問する前に、ヨーロッパ政策分析センターのエワ・ブラスジンスカヤ研究員はワルシャワ・ビジネス・ジャーナルのブログで、ポーランド政府に対してこの機を利用してアフガニスタンでのNATO軍へのポーランドの貢献を再確認し、バイデン氏にミサイル防衛問題での再考を促すように主張している(“Vice President Biden’s Poland visit more than just damage control”; CEE Policy Watch; 20 October 2009)。

ミサイル防衛は縮小したものの、オバマ政権は新しいヨーロッパへの積極的な関与の継続を示した。ジョセフ・バイデン副大統領はポーランドのレフ・カチンスキー大統領とドナルド・トゥスク首相と予定より長く会談して彼らの懸念を宥めた。それアメリカがポーランドとチェコからミサイル防衛システムを撤退させるというはオバマ大統領の無用心な発言に対する事後処理であった。しかし野党は代替案実施の日時も決まっていないようでは、こんなものはまやかしだと批判している(“Biden does damage control”; Warsaw Business Journal; 26 October 2009)。

バイデン氏はチェコのヤン・フィッシャー首相との会談でも同様な事後処理外交を行なった。アフガン戦争でのチェコの貢献は称賛されたが、両者とも新計画を二国間で行なうかNATO中心で行なうかについて合意に達しなかった(Biden reassures ČR of defense role”; Prague Post; October 28 2009)。さらにチェコのバクラフ・ハーベル元大統領はバイデン氏の説明が「合理的」だと認めながらもオバマ氏がダライ・ラマとの会見を拒否したことを批判した(Havel: US foreign policy aware of threats”; Prague Daily Monitor; 26 October 2009)。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスでフェローのアルテミー・カリノフスキー氏は中央ヨーロッパの同盟国を宥めるためにジョセフ・バイデン氏を経検したことは最善の選択だと述べている。バイデン氏は1990年代にNATO東方拡大の後押しで輝かしい経歴を持ち、この地域での人脈も豊富である。しかしポーランドもチェコもバイデン氏が期待に応えられないようだと失望してしまう。カリノフスキー氏が述べているように「結局のところ、オバマ政権は内政でもそうだったように誰とでも友好関係を築くのは不可能だと悟るであろう」ということである(“The Man for the Job in 'New Europe'?”; National Journal; October 20, 2009)。

オバマ氏が敵対国や挑戦国との関係緩和の希望を最も微妙な時期に口にしたことは時期尚早であり、忠実な同盟国に深刻な懸念を抱かせてしまった。ワルシャワ・ビジネス・ジャーナルもプラハ・ポストもオバマ大統領が独ソ軍ポーランド侵攻70周年式典でロシアのプーチン首相が挑発的な発言をしたことに充分な考慮を払わなかったと指摘する。プーチン氏の親スターリン的な演説は中央ヨーロッパと東ヨーロッパ諸国民の背筋を凍らせた。またバイデン氏は代替ミサイルのSM3について詳細な情報を伝えていない。ジョセフ・バイデン氏は事後処理の任務を完了して新しいヨーロッパの同盟国の信頼を回復するためにはもっと多くのことをやる必要がある。

オバマ氏はすべての当事者を癒すことはできない。プラハ演説とカイロ演説は称賛を受けたが、大統領は国際政治での力の論理の生々しい現実に直面しなければならない。副大統領はカスタマー・サービス・センターの室長のようにアメリカの同盟国の懸念の面倒を見るために、重要な役割を果たすであろう。いずれにせよ、ジョセフ・バイデン氏がオバマ政権の外交政策で果たす役割は新しいヨーロッパと旧ソ連諸国にとどまらない。バイデン副大統領はアメリカが超大国の役割を果たすうえでオバマ政権の中でかなり重要な役割を担うであろう。

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