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2009年11月15日

イラン問題に外交問題評議会の権威が論評

現在、P5+1(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国、およびドイツ)とイランの間の核交渉が進展中である。イラン問題については今後の記事で詳しく述べてゆきたい。当記事では11月11日に行なわれた外交問題評議会のレイ・タケイ上級フェローへのインタビューに言及したい。タケイ氏はイラン問題には核不拡散を超えてより広い視野からのアプローチが必要になると主張する。

このインタビューでタケイ氏はイランの外交政策が国際舞台での自国の国益の特定よりも内政に左右されているという重要な指摘をしている。よって同氏はアメリカと他の当事国は核交渉ばかりにとらわれず、広い範囲の問題を視野に入れるようにと述べている。

これは今年の6月に行なわれただし棟梁選挙から政情不穏なイランに対する西側のアプローチを議論するうえで非常に重要である。今年の10月に行なわれたウィーン交渉は核不拡散の前進かも知れないが、タケイ氏は内政がイランの態度を唐突で予測不能なものとしていると述べている。イランのマフムード・アフマディネジャド大統領はP5+1に対案を示すかも知れないが、そうした対案はよく思案された国益に基づいたものではない。よって私はウラン濃縮に関して神権体制への経済的な見返りを与えても必ずしも効果はないと言いたい。

核問題に全面的に集中する代わりに、タケイ氏はP5+1に対してイランとの間ではイラク、湾岸の安全保障、中東和平交渉といったより広い範囲の問題で共通の目標を見出すべきだと論評している。他の問題でイランとの合意に至れば核交渉にもはずみがつくと言う。私がこの点に同意するのは、こうした安全保障問題がイランの核保有の野望と絡み合っているからである。また、私はリビアが核計画を廃棄したのはカダフィ氏がイスラム過激派の脅威の撃破に西側の支援を必要としているからだということに言及したい。

タケイ氏は内政問題が核交渉に対するイランの態度に及ぼす影響に言及しているので、人権問題でイランに圧力をかけるという冷戦期の戦術を活用することは理に適っている。オバマ政権は今年の大統領選挙との関連でのイラン非難には注意深過ぎる。

レイ・タケイ氏は短いインタビューの中にもイランへの対処に有益な指針を示している。イランはモハマド・レザ・パーレビ国王の失脚以来、最も重大な脅威の一つになっている。よってイランについて今後の記事で述べてゆきたい。

オバマ政権は他の問題でイランを刺激することを躊躇し、核問題に全面集中しているように見える。しかしそうした低リスク外交では労なくして得るものなしである。

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