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2012年6月30日

オディアーノ大将のチャタム・ハウス講演より米陸軍戦略の考察

国際的な安全保障をめぐる状況が目まぐるしく変わる中で、世界各地で政策形成に関わる者にとってイラクおよびアフガニスタン後のアメリカ軍の変革の行方を理解することが不可欠となっている。アメリカの戦略の背後にはどのような考えがあるのだろうか?この問いの答えの鍵は、レイモンド・オディアーノ陸軍大将が英国王立国際問題研究所で6月6日に行なった講演にあるだろう。オディアーノ大将がデービッド・ペトレイアス陸軍大将の後任としてイラク駐留多国籍軍司令官に就任したことはよく知られている。現在のオディアーノ大将はアメリカ陸軍参謀本部長の職にある。よってオディアーノ氏はオバマ・ロムニー両陣営の相違を超えてアメリカの国防戦略を語るには格好の立場にある。アジアでは中国を恐れるあまりにアメリカが重点地域を移すことを単純に歓迎する向きもある。そうした人達はアメリカの戦略の全体像を理解し、ヨーロッパと中東にも充分な考慮を払うべきである。

陸軍の変革の鍵は国防予算の縮小、任務の多様化、そしてアジア回帰の三点である。オディアーノ大将は王立国際問題研究所の講演で重要な変革期にあるアメリカ陸軍が掲げる「予防、具現化、勝利」といった戦略概念について論じた。アメリカは国防上の重点地域をシフトしようとしているが、NATOでもポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリアといった東方前線諸国はロシアに備えたアメリカの軍事的プレゼンスを求めている。西ヨーロッパでもオバマ政権が冷戦後の安全保障に対応するためとしてドイツ駐留の2個旅団を撤退させたことで、アメリカが自分達に目を向けなくなっているのではないかと言う不安が高まっている。そうした中でヨーロッパ人にアメリカの立場をどのように説明したのだろうか?アシアへの転進がヨーロッパと中東の安全保障を犠牲にすることがあってはならない。結局のところ、アジア諸国の経済発展のために両地域の市場とエネルギー資源は必要である。さらに国防予算の減額が余儀なくされる現状で、アメリカは自由主義世界秩序の維持という超大国の責務をどのように果たしてゆくのだろうか?

オディアーノ大将は講演の冒頭でアメリカ陸軍は二つの問題を解決しなければならないと語った。一方で、アメリカはアフガニスタン、中東全体、朝鮮半島といった現在の前線への関与を継続してゆかねばならない。他方で、アメリカ軍は目まぐるしく変化する安全保障情勢に適応して将来に備えておかねばならない。以下のビデオを参照されたい。

両目的を達成するうえで最も大きな障害となるのが予算の制約である。現行の予算法案では、アメリカは今後10年間で5,000億ドル弱の国防支出を削減しなければならない。それによって人件費が支出の49%を占める陸軍は大幅な人員削減を迫られる。最終的には. 8万人の戦闘要員と非戦闘要員が解雇されることになる。現時点ですでに15,000人の人員が削減され、残りの人員は今後5年間に削減される。オディアーノ氏が示した数字は膨大なものである。アメリカはそうした障害をどのように乗り越えるのだろうか?

オディアーノ氏は安全保障をめぐる状況を概括するとともに、アメリカ陸軍の戦略目的を述べた。安全保障の不安定要因が強まる中東に関しては、「アラブの春」によって独裁者は引きずり下ろされたが、新しい政府はまだできあがっていない。この動きが核開発の野望を抱くイランに与える影響は予測できない。アジア太平洋地域について、オディアーノ氏はインド・パキスタンの競合関係と中国の台頭がアメリカ陸軍にとっての主要課題となると述べた。きわめて重要なことに、アフ・パク問題についてはアジア太平洋地域の問題に含めている。これは陸軍が2014年後もアフガニスタンに関与し続けることを示している。実際にオディアーノ氏はアジア回帰が他の地域を放棄するという意味ではなく、アジアを戦略的優先地域とすることだと明言した。オディアーノ氏は「我々の役割とビジョンは地域での反応力を高め、世界規模で関与をしてゆくことである」と述べた。地域の力配分に加えて、現在の戦争では敵の特定が難しくなっている。敵は国家、反乱分子、テロリスト、非国家アクター、あるいはそれらが複合されたものかも知れないという。

そうした複雑な事態に対処するために、オディアーノ氏は予防、具現化、勝利という3段階があると語った。予防の段階では敵対勢力にアメリカの意図を誤解させないことが重要だということである。この主張はジョン・マケイン上院議員が4月にカーネギー国際平和財団でアフガニスタンに関する講演で強調した内容と重複する。マケイン氏は、性急な撤退を行なってしまえばテロリストと反乱分子がアメリカにはアフガニスタンの治安回復を支援する気などないと誤解しかねないと述べた。具現化の段階ではさらに多様な要因が関わってくる。何よりも各地域で現地の国々とのパートナーシップの形成が鍵となる。アジアの戦略的な優先順位が高くはなるが、中東には依然としてアメリカの強力なプレゼンスが必要である。またオディアーノ氏はアメリカ陸軍が合同演習を通じてヨーロッパ、アフリカ、南アメリカとのパートナーシップの強化を模索していると訴えた。こうした目的のために「我々は違う地域に部隊をローテーションさせ、これら全ての地域で同盟国やパートナーと共に問題に対処し、強力な関係を構築したい」と語った。

注目すべきは「部隊をローテーションする」という部分で、それはこの考え方はこれまで実行されたことがないからである。その先駆けとして、オディアーノ氏はNATOの緊急反応部隊がヨーロッパ内外をローテーションして合同の訓練、演習、任務に服することに言及している。アジア太平洋地域では日本、オーストラリア、フィリピンなどの間で同様の案が適用されることになっている。東アジアではローテーションによって「米軍基地の過剰集中」という「沖縄の負担」を軽減できると期待する向きもある。しかしそうした期待は性急である。斬新な戦略が実施される際には、しばしば現実との整合がはかられる。イラクではドナルド・ラムズフェルド元国防長官が掲げた少数精鋭部隊を基本としたRMA戦略は失敗し、増派によって事態を乗り切ったことを忘れてはならない。日本の左翼はこのことを銘記すべきである。ローテーション戦略はヨーロッパでもアジアでも計画されているので、この新しい戦略概念には全世界の注目が集まってもよい。

オディアーノ氏はNATO緊急反応部隊と合同訓練に言及し、アジア回帰に対するヨーロッパ人の懸念に配慮を示した。『フィナンシャル・タイムズ』紙は強固な大西洋同盟があってこそ、アメリカはアジアに集中できると主張している(“US set to stand by NATO despite warnings”; Financial Times; May 21, 2012)。また多国間の行動が必要な時、アメリカの世界規模での作戦行動で信頼できるパートナーとなるのはNATO同盟国である。遺憾なことに、先のシカゴ首脳会議でオバマ氏はアメリカの戦略目的をヨーロッパに充分に説明していなかった。イラク戦争でブッシュ政権の「単独行動主義」を非難した者にとってはまさに皮肉である。ヨーロッパの左翼は「チェンジへの希望」に裏切られたのである。

国家対国家の関係に加えて、陸軍は他の組織とのパートナーシップも築き上げる必要がある。こうした省庁間のパートナーシップはJIIMと呼ばれ、それは「合同、政府間、省庁間、多国間の環境(joint, intergovernmental, interagency, multinational environment)」を意味する。基本的な考え方は、軍事力自体には限界があるので陸軍は国務省、国防総省、財務省、司法省といった文民省庁との提携し、複雑さを増す安全保障情勢の中で戦略を形成してゆくことが必要になるというものである。また人員資材の配分についても考慮が必要である。陸軍の人員が削減されるとあって、特殊部隊の強化によってテロリストと反乱分子を掃討することがきわめて重要になってくる。こうした目的のために、オディアーノ氏は軍の編成において適正な部隊構成を模索する必要性を強調した。例えば重装備-中間装備-軽装備の部隊の構成バランス、通常部隊と特殊部隊の構成バランスなどが挙げられる。

この講演では軍事技術の進化も国際安全保障に新たな課題を投げかけるものとして議論された。科学技術の進歩によって、宇宙とサイバー空間も陸、海洋、空とともに世界人類の共有財産となった。オディアーノ氏は「それぞれの国家アクターと非国家アクターが宇宙とサイバー空間にアクセスでき、誰の管理も受けずにアクセスをしたいと望んでいる」という事態を問題視している。従来の共有財産とは異なり、中国が外国の政府機関に悪名高きサイバー攻撃を仕掛けたように、世界人類の新しい共有財産では規範の不在を悪用する国もある。他方でITの発展はアメリカ陸軍にとって自らの能力の向上にもつながるという好ましい変化ももたらしている。コンピューター・ネットワークによりどこにいても同じ訓練ができるようになると、米軍は特定の任務について全世界の同盟国軍とサイバー空間で共に訓練できるようになる。オディアーノ大将はこれによって米軍も同盟国軍も1ヶ所に集まるための交通費を削減できると述べた。戦場においてはコンピューター・ネットワークによってリーダーシップの分権が進み、第3段階の勝利が近づいてくる。また6月15日放映のCBSニュースのインタビューでは「我々はアフガニスタンの戦地で小隊を指揮し、難しい決断を迫られることが多い22~23歳の中尉に権限の多くを与えている。よって実戦を通してリーダーシップを学んでゆくようになる。我々は若い現場指揮官の能力を早く向上させ、年齢経験を積むとともに彼らの能力が洗練されてゆくように支援し続けねばならない」と述べた。以下のビデオを参照して欲しい。

講演を通じてオディアーノ氏は緊縮予算の下での新戦略を明解に説明した。またアジア回帰について語る際に、アメリカが自分達に対して悪意なき無関心に陥るのではないかというヨーロッパ人の不安には配慮を見せた。同盟国には戦略的に重視される地域のシフトよりも米陸軍の構造的な変化の方が大きな影響をもたらす。それはアメリカとの新しい防衛パートナーシップに対応してゆかねばならないからである。ともかくオディアーノ氏が講演で語ったことは、政治的に中立でシビリアン・コントロールに従う軍人の権限の範囲内でのものである。政府のリーダーシップについてはどうだろうか?オバマ政権は変化の激しい世界情勢の中でヨーロッパと中東との関係をどのように刷新してゆくのか、明確な態度を示していない。バラク・オバマ大統領はNATOシカゴ首脳会議でヨーロッパ諸国の懸念を和らげることができなかった。シリアなど中東の混乱についてもアメリカの指導力を印象づけることにはあまりに消極的である。戦略的に重視しているアジアについてさえ、オバマ氏は中国に対して明確な態度を示していない。大統領選挙でオバマ氏の対立候補となるミット・ロムニー氏は、そうした外交政策での不鮮明な態度を問い質す必要があるが、現時点での選挙討論は国内経済にばかり目が向いている。陸軍は自分達がなすべきことを整然と行なっている。しかし政治の指導力が欠如してしまえば、制服組の努力が水泡に帰してしまう。

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2012年6月20日

NATOシカゴ首脳会議と米欧同盟の今後

NATOシカゴ首脳会議では、緊縮財政の中で新しい挑戦が突きつけられる国際安全保障の重要な課題が話し合われた。西側民主主義同盟の中軸でとしてオーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国といったヨーロッパ大西洋圏外の国々との提携関係を深化させようとする一方で、今回の首脳会議ではNATO自身の内部の足並みの乱れが見られた。先の首脳会議で取り上げられた主な論点と、それらが持つグローバルな意味合いを論じてみたい。

シカゴ首脳会議を前にNATOソースのジョージ・ベニテス編集長とヨーロッパ改革センターのトマス・バラセク外交国防部長は、アメリカもヨーロッパもアジア回帰戦略とユーロ圏金融危機によって欧州大西洋地域での防衛能力を低下させているという懸念を述べている(“NATO: Chicago and Beyond”; NATO Source; May 13, 2012 and “NATO ponders austerity and US 'pivot'”; Centre for European Reform Blog; May 18, 2012)。英国王立国際問題研究所のアンドリュー・ドーマン準フェローはシカゴ首脳会議を前に、会議での重要な議題を挙げている。現在、最重要課題は2014年にISAFが撤退するアフガニスタンであり、何と言ってもそれはNATOにとってはヨーロッパ大西洋圏外では初の共同軍事作戦である。さらにイランとシリアも見逃せない。中東の動乱が目を引く一方で、ロシアとの関係が大西洋同盟に複雑な影を投げかけている。ミサイル防衛とNATOのさらなる拡大にとどまらず、欧米にとってはリビア、シリア、イランにおいてもロシアの影響力を見過ごせない。他方で加盟国のロシア観はそれぞれに異なる。東方前線諸国は弾道ミサイル防衛システムによるアメリカの強力なプレゼンスを求める一方で、イギリスは中央アジア経由でアフガニスタンからの兵員撤退にロシアを輸送路に使いたいと考えている。NATOは厳しい予算制約の中で数多くの課題に対処しなければならないので、バードン・シェアリングと役割分担を考慮してゆかねばならない(“NATO’s 2012 Chicago summit”; International Affairs; March 2012)。

首脳会議で最も注目される議題はアフガニスタンである。これはNATO初のヨーロッパ大西洋圏外での共同軍事作戦であり、しかも2014年のISAF撤退をもって任務は終了する。しかしアフガニスタンは2014年以降も西側の支援を必要としている。多国籍軍の中核となったアメリカイギリスは2014年後もアフガニスタンへの関与を継続するために安全保障の合意に至っているが、フランスのオランド新政権はより早期の撤退を決定している。2014年以降のアフガニスタンの治安動向については、ジョン・マケイン上院議員が4月にカーネギー国際平和財団で講演を行なった。まずマケイン氏は聴講者に対し、アフガニスタンの戦争目的がソ連撤退後の当地の混乱を見てみぬ振りをしたアメリカの無責任な誤りにあることを再確認するように促し、9・11テロの脅威への意識を呼び覚ました。基本的な理解のために、マケイン氏はこの4年間で南部でのタリバン勢力の著しい弱体化とアフガニスタン治安部隊の劇的な強化といった重要な進展がみられたと強調した。しかしマケイン氏は現在もなおテロ活動を続けるタリバンとの性急な妥協には反対している。同上院議員は依然として治安が不安定な時期の米軍撤退はタリバンのテロ活動を勢いづけ、対テロ作戦での成果を無に帰してしまいかねないと警告する。以下のビデオを参照されたい。





マケイン上院議員の警告に呼応するかのように、イギリスは対テロ作戦のために200人の特殊部隊を2014年以降も駐留させることを検討している。デービッド・キャメロン首相はこの件について最終的な決断をまだ下していない(“Al-Qaeda could 're-emerge in Afghanistan after Nato withdrawal'”; Daily Telegraph; 21 May 2012)。パキスタンのメディアさえもそうした敗北主義によってNATOが過去11年間に築き上げた成果を台無しにしかねないと述べている(“COMMENT: NATO summit in Chicago: old wine in old bottles — I”; Daily Times; June 5, 2012)。

アフガニスタンの他にもNATOは緊縮財政の中で数多くの課題への対処が迫られている。NATOは「スマート・ディフェンス」という新たな概念を適用し、同盟国同士で装備と施設を共用して各国が自国の強みに特化して同盟全体の防衛を補完し合うことによって、世界規模の安全保障の要求を満たしてサイバー戦争も含めた防衛能力を向上させねばならない。「スマート・ディフェンス」は同盟国の役割分担を超えたものである。費用対効果の高い防衛力の実現を目指し、シカゴ首脳会議では核兵器はNATOの抑止力の中核だとする『抑止力と防衛姿勢見直し』を採択した。これは核なき世界を謳った2010年のリスボン首脳会議からの方針転換である。シカゴで採択された見直しではミサイル防衛がロシアのミサイルに対するスマート・ディフェンスの一環だと述べている(“NATO Maintains Nuclear Weapons’ Role in Deterrence”; Global Security Newswire; May 21, 2012)。

防衛能力だけが問題ではない。米欧間の防衛協力は新しい時代に合わせて進化してゆかねばならない。NATOのジェイミー・シェイ副事務局長補は、リビア・モデルが効果的な役割分担の規範となると主張する。有志の国が戦闘に従事し、他の国は兵站、専門的支援、同盟共通の資金を提供する。シェイ氏はさらに軍事力を削減する時勢にあってもNATOが国際情勢に関与し続けるよう提言している。ハードウェアの研究開発と役割分担の他に、政策協議と情報共有ネットワークを発展させねばならない。この目的のためにはサイバー防衛の能力も強化が必要である。これらと並行してドイツからは米軍2個旅団が撤退する現状に鑑みて、ヨーロッパはアメリカへの依存も低めねばならない。シェイ氏は防衛能力のギャップを埋めるためにヨーロッパから動き出した政策として、欧州共同開発のガリレオ衛星と英仏共同の無人機開発計画を挙げている(“Keeping NATO Relevant”; Carnegie Policy Outlook; April 2012)。ミサイル防衛ではヨーロッパはアメリカ製の迎撃ミサイルに依存するとしても、レーダーを自分達で作ることはできる(“U.S. to Declare Interim European Missile Defense Capability at NATO Summit”; Global Security Newswire; May 18, 2012)。

実際にヨーロッパの同盟国の殆どはアメリカの安全保障の傘に「ただ乗り」している。国防費がGDPの2%という指針をこえているのは5ヶ国に過ぎない。国防に消極的なヨーロッパの中ではイギリスへの評価は高い。イギリスの国防費はGDPの2%を超え、ヘリコプター、戦闘機、空母、潜水艦といった主力兵器に予算を注ぎ込んでいる。またアフガニスタンへの派兵規模はアメリカに次いで第2位である。さらにアフリカでも国際警察軍の重要な一翼を担っている(“The UK Will Continue to Be a Strong Ally to US and NATO”; NATO Source; May 19, 2012)。しかしロイターは逆にイギリスやドイツのような経済大国が軍事力を縮小させていることが西側同盟に大きな影響を及ぼしていると報じている。リビア紛争では英仏主導のヨーロッパ多国籍軍は、攻撃作戦の目標設定の殆ど全てと燃料の85%をアメリカに依存していた(“Europe's lack of key defense capabilities raises doubts about NATO's future”; NATO Source; Match 22, 2012)。このことはアメリカとヨーロッパ同盟諸国の防衛能力の格差がきわめて大きいことを意味している。

オバマ政権の新戦略はNATOにも影響を与えるかも知れないが、強固な大西洋同盟があってこそアメリカがアジアに集中できる(“US set to stand by NATO despite warnings”; Financial Times; May 21, 2012)。NATO自身もグローバル化が進む課題への対処のために、オーストラリアやニュージーランドといったアジア太平洋諸国との安全保障のパートナーシップを必要としている。また「スマート・ディフェンス」が貧弱な防衛力の言い訳になってはならない(“What NATO Should and Shouldn't Do in Chicago”; NATO Source; May 18, 2012)。安全保障に挑戦を突きつける勢力は技術的に追い上げている。中国はA2/AD能力を向上させ、イランも核開発を手がけている。NATOとヨーロッパ大西洋圏外のパートナー諸国はアメリカの圧倒的な技術的優位にただ乗りするばかりでなく、自らもそうした脅威に立ち向かう取り組みをすべきである(American Decline and the Future of Interventionism”; NATO Source; April 13, 2012)。 そのような安全保障環境の中で西側民主主義諸国は同盟を刷新してゆく必要がある。

現在、NATOは加盟国と責任範囲をさらに拡大すべきかどうかというジレンマに立たされている。イギリスのデービッド・キャメロン首相は世界の安全保障に積極関与するNATOを構想しているが、チェコのアレクサンドル・ボンドラ国防相は加盟国や防衛地域の拡大よりもNATO内での共同防衛を主張している(“Analysis: Looming end of Afghan mission leaves NATO with identity crisis”; Reuters; May 22, 2012)。シカゴ首脳会議ではアメリカはヨーロッパに対して安全保障の消費者ではなく生産者になるようにと要求した。NATOが担う西側民主主義同盟の中枢という役割は、アメリカの悪意なき無関心とヨーロッパの軍事的意欲の低下によって損なわれる可能性がある。同盟の再強化には何らかの手段を講じる必要に迫られている(“The future of the transatlantic alliance: NATO’s sea of troubles”; Economist; May 31, 2012)。国際安全保障の学徒にとって、シカゴ後のNATOからは目が離せない。

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2012年6月 4日

イスラムのヒトラー、イランの野望を阻止せよ!

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イスラエルとの連帯」というニューヨークのNGOが、核兵器保有の野望を抱くイランに対する断固とした行動をとるよう、緊急の呼びかけをしています。イランのマフムード・アフマディネジャド大統領は、アドルフ・ヒトラーのドイツが行なったホロコーストと同様にイスラエルを抹殺せよと訴えかけました。

悪の枢軸の中枢を担うイランが一度核兵器を手にしようものなら、テロリストとのネットワークを通じて自由な国々を抹殺しかねません。彼らが人工衛星を打ち上げて、弾道ミサイルの開発能力を見せつけたことを忘れてはなりません。彼らの危険な野心を阻止するために、こちらのリンクよりの署名を宜しくお願いいたします。 

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皆様のご協力をお願いいたします。

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